ECLIPSE_202507_12-15
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た。そのぶん、バランスが崩れたところもあったんですけど、うまく修正していけたと思います。天皇賞(春)の時には、強い調教をしても耐えられるようになっていたし、加減なく攻めることができました。そこは大きな収穫だったと感じています」その言葉どおり、天皇賞(春)に向けてはハードな調教メニューを消化。そして、京都競馬場へは前々日(金曜)の輸送を選択した。岡本「ゴールデンウィークの期間中だったので、前々日に輸送しました。前日輸送も検討しましたが、最大のリスクは渋滞で、普段以上に時間がかかってしまうこと。そこを回避するたから、走りそうな馬だと感じました。お母さん(コルコバード)は僕が木村厩舎に入ったとき、4歳ぐらいだったと思います。担当馬ではなかったんですけど、手脚がスラッとしていた印象でした。(ヘデントールの)脚の長さは、母譲りなのかと思います。顔つきがシュッとしたところも似ているし、見た目から走りそうな印象を与えてくれました」土田「コルコバードの調教にも何度か乗せてもらいましたが、ちょっと気難しい感じでしたね。追い切りで合図を出しても向こうを張ったり、走ることにネガティブさを見せるところがありました。ヘデントールのほうが乗りやすいというか、気持ち自体は常に前向き。今以上に緩さはありましたが、最初に乗ったときからポテンシャルを感じました」らかさだったり、跳びの大きさや滞空時間の長さ、何よりも心肺機能の高さが印象的でしたね。ただ、3歳の頃は成長途上で、競馬ぶりも不安定。ゲート内の駐立も悪かったので、そこから修正していき、しっかりと一歩目を出せるように、普段の調教から意識しました」す。そこが一番。僕が知る限りでは、並外れていると思います。頭の位置が高い走り方なんですけど、それが彼のフォーム。そう考え、あまり形を求めすぎずに乗るようにしてきました」良く走れるように心掛けたこともありました。でも、そうすると跳びの大きさが消えてしまう。なので、そこは気にせずに、大きく走らせるようにしました。3歳の春は、何とかダービーに出したかったんですけどね。でも、今の成長度合いを見る限り、あの頃に出ていても少し足りなかったかもしれません。そこから経験を積み、少しずつレベルアップできたようなところがあると思います。菊花賞の時は、全体的なバランスが最も整っていた印象。ダイヤモンドSの頃には一段と背丈が伸び、シルエット的にも大きく見えまし岡本「実際に乗ってみると、体の柔土田「心肺機能は本当に優れていま岡本「首の使い方に関しては、格好め、金曜日の午後8時に美浦を出ました(明朝の午前4時頃に到着)。向こうに着いてからは緊張している感じで、カイバを食べられていなかったんですけどね。いつも競馬場に着くと、緊張するタイプ。土曜日の夜ぐらいから食べ出しましたし、そういう意味では前々日に運んでよかったと思います。輸送の疲れも考慮し、現地では乗らずに引き運動だけにしました」無事に最終調整を済ませ、迎えたレースの当日。ヘデントールは適度に気持ちが入っていたという。岡本「当日の装鞍所では、張り切っていましたね。いつも以上に気が入っている感じでした。パドックに出てかJuly 2025 vol.28214ダイヤモンドS出走前(2025.02.19 木村調教師&土田助手)天皇賞(春)出走前(2025.04.30 レーン騎手)        ─ ヘデントール 天皇賞(春) 優勝 ─「血をつなぐ使命を胸に…」G1制覇を振り返る

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