ECLIPSE_202507_12-15
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なポジションを確保した。最後は他馬の仕掛けに応戦する形から突き放し、堂々の4馬身差で完勝。待望の重賞初制覇を飾り、春の大一番に弾みをつけた。その天皇賞・春では、ダミアン・レーン騎手とのコンビを結成。見事なトップスタートを切り、道中は6〜7番手のインでスムーズに折り合った。勝負どころで他馬が早めに動いてきても冷静沈着に運び、ラスト1ハロン付近で先頭へ。最後はビザンチンドリームの追撃を、アタマ差で封じた。「それまでに悔しい思いもしてきたので、ホッとしました。こうして、トップオブトップのG1で期待に応えることができ、何とか責任を果たせたんじゃないかという思いです」ゲートやテンの行き脚など地道に課題の改善を図り、それ以外にも細かな対策を講じてきたという。「蹄壁が薄かったので、以前は蹄鉄を打ち替えるたびに痛がることもあったんですよね。牧場(ノーザンファーム天栄)と連携しながら、試行錯誤して蹄壁の厚さが増し、体のほうも動きやすくなってきたところがあります」と逞しく成長した姿に、目を細める。そうした取り組みが実を結び、このG1初制覇につながったことは言うまでもない。担当の岡本卓也調教助手(持乗)、主に調教役を務める土田祐也調教助手(攻専)にも話を聞いた。岡本「最初に担当させてもらった頃めに、立て直しを図った。「ちょっとトラブルがあり、デビューの時期が遅くなりました。焦っても仕方ないので、その時が来るのを待った感じです」デビュー戦は11月の秋競馬になり、結果は1馬身3/4差の2着。「重心の高さなど修正すべきところはあったけど、それなりに仕上げていったつもりです。ですので、しっかりと負けてしまったことには、少しショックな気持ちもありました」。とはいえ、そこを勝ったのはジャスティンミラノ。のちの皐月賞馬が相手だったことを思えば、仕方ない部分もある。3歳を迎え、年明けのデビュー2戦目を快勝。「ひとつ勝つことができたので、何とか日本ダービーの舞台に連れていきたいと意識していました。ゆりかもめ賞を使うプランもありましたが、そこは無理せずに我慢。トライアルレース(青葉賞)のことも考え、その前に3月の自己条件(1勝クラス)を使わせてもらうことになりました」。ここで連勝を決め、4月の青葉賞へと駒を進める。しかし、結果は8着。後方2番手からの競馬で、口向きの難しさも見せるなどチグハグな形になり、夢の大舞台に立つことはできなかった。スの町田特別、8月に3勝クラスの日本海Sを連勝。秋には3冠最終戦の菊花賞で、初めてのG1に挑んだ。結果は2馬身半差の2着。うまく立ち回った勝ち馬(アーバンシック)には追いつけなかったが、最後まで根気強く脚を伸ばしてきた。「ルーラーシップ産駒は過去にも何頭か預からせていただきましたが、持っている素質に体の成長が追いつけば走るようになる。この馬も奥手だと思っていましたし、もともとの器は大きい。基本的には、古馬になってから良くなるイメージがありましたからね。まだまだ課題があった中、よく走ってくれたと思います」のダイヤモンドSから始動。課題のスタートを無難に決め、序盤から理想的気持ちを切り替え、6月に2勝クラ年明けは天皇賞・春を見据え、2月13町田特別出走前(2024.06.13 岡本助手)菊花賞出走前(2024.10.16 戸崎騎手)菊花賞出走前(2024.10.10 土田助手)           

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