る。競走馬時代に京都記念などの重賞レースを制して獲得賞金3億2384円のダンビュライトは、2022年3月25日に岡山県にある引退競走馬支援団体のオールドフレンズジャパンに入厩。この場所で乗用馬を目指してリトレーニングを行ってきた。ファイナルでの結果は減点4の15位だったが、乗用馬として障害物を飛越する勇姿を競馬ファンに披露した。は2021年6月26日、東京でのレースを最後に競走馬のキャリアを終えた後、栃木県にある小山乗馬クラブで、乗用馬としての再スタートを切った。RRC予選・東京大会で2位となりファイナルに駒を進め、最終結果は障害減点4、所要タイム59秒で最終成績は23位でフィニッシュとなったが、大勢のファンが見守る中での走行は、競走馬時代とは違う形で人々の記憶に残ったはずだ。グローブシアターに騎乗した黒須晴子は「グローブシアターは最初、気が強くて誰も寄せ付けない感じでしたが、ストレッチやマッサージをしてあげて、少しずつ人に触らせるようになり、性格が穏やかになっていきました」と言う。小山乗馬クラブのオーナーである増山治夫も「グローブシアターは、立派に乗馬の馬になれたと思います。引き取ってよかった」と語った。優勝は11人馬によるジャンプオフを制した、佐藤賢希&ルコリエだった。ターとして登場、優勝したエイムアンドエンドに声をかけた。このようなシーンにも、競馬と馬術のコラボレーションが感じられる。入賞人馬でのウイニングランで、エイムアンドエンドは「馬場馬術競技馬」として太陽の光を浴びながら、歓声に応えるように走った。が馬場馬術に出場する魅力を問われた柿□は「サラブレッドでも、こんな動きができるんだと競馬ファンの方に知ってもらえたらと思いますし、競走馬時代とは違う馬の美しい動きにも注目してほしいです。馬が持っている能力を、私が引き出していけたらと思います。馬には感謝しかありません。ありがとうと伝えたい」と語っていた。術のファイナルには28人馬が出場。出番表に目を通すと、そこには競走馬時代の成績が表記されている。戦績と獲得賞金を見ていくと、3億円以上を稼いだ馬から未出走のまま競走馬としてのキャリアを終えた馬まで、様々な背景を背負った馬たちが同じ舞台に立っていることがわかる。その中で獲得賞金が1億以上の馬は6番目に走行したダンビュライトをはじめ、グローブシアター、サヴィの3頭。馬に騎乗するライダーを見ると、ロンドンオリンピックに出場した佐藤賢希や、全日本選手権に出場するライダーの名前が多数あ表彰式には和田竜二騎手がプレゼン試合後のインタビューで引退競走馬最後の競技は、障害馬術だ。障害馬西陽が強く差し込む時間に障害馬術の優勝人馬が決定 FINAL2024は幕を閉じた。RRCは競走馬の第二の活躍の場所として、もう一度光を当てるために多くの関係者がこの舞台を作り上げている。この場所に立てる馬は、引退競走馬の中でも一握りに過ぎないかもしれない。しかし馬たちは人間の愛情を受けて、再び輝きを放つ場所を目指して日々奮闘している。大会での結果だけではなく、そこを目指す過程にこそ、RRCの意義があると感じる。来年はどんなドラマが生まれるのだろうか。また引退競走馬と彼らを支える人たちに、会いに行きたくなった。し、RRCWriter profile 13中西 祐介 Yusuke Nakanishiシーザリオの仔が、馬術界でも輝きを放っていることが感慨深い。この先の更なる活躍を期待したい綺麗な飛越を見せるグローブシアター。黒須晴子選手とのコンビで2年連続ファイナル大会へ出場東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。講談社写真部、アフロスポーツを経てフリーランス。2008年の北京オリンピックで馬術撮影を担当したことをきっかけに馬術の撮影を開始。その後オリンピック、世界選手権、全日本選手権などで馬術を撮影。現在はスポーツ全般を撮影しながら馬と人の肖像をテーマに作品制作を行う。11番目に出場したグローブシアター
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