使命とする競走馬とは、全く違う世界感を持つ競技。馬場馬術で競馬ファンの視線を一気に集めたのは、2018年に有馬記念を制したブラストワンピースだ。かつてのG1レース覇者がアリーナに登場すると、カメラのシャッター音が響き渡る。ノーザンホースパーク所属の加藤諒を乗せて演技を始めると、馬術らしいゆったりとした優雅な演技を見せる。結果は昨年の11位から順位を上げて、7位で大会を終えた。現状のルールでは今年が最後のRRC出場となるが、これからも乗用馬としての活躍に期待がかかる。競技者のエイムアンドエンド。競走馬時代に30戦4勝、2022年8月20日新潟競馬が最終レースとなった。9月ニングセンターで1年ほど過ごしたが、2023年10月29日に埼玉にある乗馬クラブ「ウィルスタッド」に入厩して、乗馬への転向を目指した。予選競技会は6月の千葉大会では3位と権利を逃すも、10月に行われた最後の予選・神奈川大会で1位となり、ファイナル大会出場を決めた。ンドは会場の雰囲気を楽しむかのように、ダイナミックな演技を披露する。人馬ともに自信に満ち溢れ、見る者を魅了しながら演技は終盤に入る。カメラを構えていた競馬ファンたちも、ファインダーから目を離して演技を見この競技で優勝を飾ったのは、最終騎乗する柿□絵理とエイムアンドエ守っていた。人馬の堂々とした姿は、速く走ることを使命とした競走馬時代の姿とは違い、穏やかでライダーとの信頼関係が見事に構築されているように見えた。演技後に柿□はこう振り返る。「馬は気が強くてはみ出てしまう部分があるので、そこは気をつけました。体が大きくて動きがダイナミックな分、収めるところをしっかりと意識していました」競技終了の敬礼をジャッジに行うと、柿□はエイムアンドエンドを満面の笑顔で称えた。その姿に、人馬がこれまで過ごしてきた時間が容易に想像できる。競走馬が馬術と出会い、多くの人に支えられてここまで辿り着いた。最終得点率は73・485%の高得点をマーク。得点が出た瞬間、柿□は観客に大きく手を挙げて喜びを表すと、会場では再び大きな歓声が起きた。人馬が参加する表彰式を、主に馬の調教を行ったウィルスタッドの齋藤裕己が笑顔で見守っていた。齋藤はエイムアンドエンドについて「能力が高く、馬術で勝てる馬だと思いました。最初は人間を信用してもらうために怒らず、とにかく優しく接することを心がけていました。入厩してすぐ疝痛になってしまい、しばらく運動ができない時期もありましたが、その後回復して、段々と成長していることを実感できていました」と語る。January 2025 vol.27612演技後、馬をねぎらう柿□絵理選手。16人馬中最後の出場とプレッシャーの中、2位に3%差をつけ快勝馬場馬術競技で演技を行うエイムアンドエンド。競馬風ゼッケンの着用はRRC FINALならではの姿大勢の観客の前で演技するブラストワンピース。G1ホースの登場で会場全体が最高潮に盛り上がる障害馬術に出場のダンビュライト。競走成績もさることながら、その麗しい見た目でファンが多い1頭 24日に引退発表、放牧先の山元トレー元競走馬に再び光を─RRC 引退競走馬杯 FINAL 2024─
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