て2着馬を頭差で競り落とし、初勝利を挙げた。前走後に取り入れたゲート練習と、ウッドチップコースで終いの切れを引き出す調教の成果が出た。3戦目、2018年の初戦で、重賞初挑戦となった京成杯は三浦皇成の手綱で10着。4戦目が、先述した、同年2月限りで勇退した二ノ宮にとっての最後の重賞、2月11日の共同通信杯だった。出走馬は12頭。1番人気は新馬戦、京都2歳Sと連勝してきた武豊のグレイル。2番人気は前走のホープフルSで3着と好走したステイフーリッシュ。エイムアンドエンドは単勝132・9倍の10番人気。鞍上は、過去にもジャパンカップなどで来日し、この週から初めて短期免許で騎乗するようになった、ドイツのフィリップ・ミナリク。彼にとって、これが日本馬で臨む初のJRA重賞だった。速いスタートから向正面入口で先頭に立った本馬は、主張した馬にハナを譲り、2番手に控えた。持ったままで4コーナーを回り、直線へ。外から来た1、2着馬にはかわされたが、最後まで伸びつづけて、3着。育ての親に重賞勝利を贈ることはできなかった2024年11月29日から12月1日まで、JRA馬事公苑で「RRC(引退競走馬杯)2024ファイナル」が行われ、馬場、障害、総合それぞれの種目に1頭ずつ、かつてのキャロットクラブ所属馬が出場した。そのうちの1頭、馬場馬術に出場したエイムアンドエンドが、ファイナリストを獲得する見事な演技で優勝を果たした。本馬は、エルコンドルパサー、ナカヤマフェスタなどを育て、名調教師として知られた二ノ宮敬宇が、勇退前、重賞に送り込んだ最後の管理馬でもあった。エイムアンドエンドは、父エイシンフラッシュの初年度産駒で、母ロフティーエイムは二ノ宮の管理下で福島牝馬Sを勝っている。母の母ウィッチフルシンキングは北米で芝の重賞を4勝、叔母のメーデイアはJBCレディスクラシックなどダート重賞を6勝、いとこにスワンSなどJRA重賞を3勝したサングレーザー、はとこに浦和記念などダート重賞を3勝したディクテオンがいる。デビューは2017年10月21日、東京芝2000mの2歳新馬戦。重馬場となったことで岩田康誠を背にやや立ち遅れ、後方から脚を伸ばして3着。まだトモに緩さが残るなか、走りづらい馬場でも格好をつけてくれたことで、先が楽しみになった。た未勝利戦。福永祐一を鞍上に迎え、3番人気に支持された本馬は、好スタートから引っ張り切れないほどの手応えで好位の内を進んだ。ラスト400m手前で前が開くと、力強く末脚を伸ばし次走は11月18日に同じ舞台で行われが、見事な走りを見せてくれた。奥村武厩舎への転厩初戦となったラジオNIKKEI賞は勝ち馬からコンマ4秒差の5着と健闘し、3走後、同年た500万下で2勝目を挙げた。その後、トモの球節のフレグモーネなどの脚部不安と戦いながら、ダート戦も含めて走りつづけ、6歳になった2021年2月のテレビ山梨杯で3勝目をマークした。同年秋から障害練習を始め、伴啓太とのコンビで臨んだ12月12日の障害初戦こそ9着に終わるも、翌2022年は2、3、2、1着と結果を出した。しかし、8月の障害OPで鼻出血のため7着に敗れた後、右前脚に繋靭帯炎を発症。現役を退くことになった。引退後は宮城県の山元トレーニングセンターにて休養期間を経て、騎乗スタッフの練習馬となった。1年ほど過ごした2023年10月末、乗馬として本格的なトレーニングを始めるため、埼玉県のウィルスタッドに移動。同じく、かつてキャロット所属馬だったメートルダールらと共に、馬場馬術競技馬への道を歩みはじめたのだった。─本文中敬称略(島田明宏)December 2024 vol.27546 16人馬中最後に登場し、73%の高得点率12月9日に中京芝1600mで行われ72
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