ECLIPSE_202412_12-15
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て、馬の状態も、道中の感じもよかったです。1着、3着がサウジと同じなので入れる余地はあると思うんですけど、2頭とももう少しスローからじわーっと上がって行くレースが向いているので、向かない展開だったかもしれません」と、レースを振り返った。日本からのバーレーンへの初のチャレンジは、結果だけ見れば残念な形となった。しかし、挑戦する側、迎える側がともに初物尽くしの中、無事にレースを迎えられたこと、また、ひとつの事例ができたことは大きい。中東の芝中距離といえば、日本調教馬が得意とするステージ。大きな成果を挙げる日も、そう遠くないだろう。にコースが照らされる中、9番枠のキラーアビリティは12頭の1番最後に枠入り。スタートでは好発を決めるも、内外から前めのポジションを主張する馬が多く、8番手付近、内にヤマニンサンパと並ぶ位置でレースを進める。地元のヤングアイルランドとソヴリンスピリット、これに挟まれたポイントロンズデールはかなり速いペースを刻む。中団に控える日本の2頭には、おあつらえ向きの展開となった。最後のコーナーを回って、残り600m。先に抜け出すリードアーティストをめがけて、外から前年の覇者で、ネオムターフCでもキラーアビリティに先着したスピリットダンサーが進出。これと共に伸びるかに見えたキラーアビリティだったが、ここから案外に手応えが悪く、むしろコーナーでは手応えの怪しかったヤマニンサンパにも交わされる。でリードアーティストを差し切ったスピリットダンサーで、このレース初の連覇となった。「ペースも速くて、位置取りもバッチリだと思ってました。直線に向いて追い出したところ、ここから加速しませんでした。跨った感じも良かったので期待していたのですが、何が悪かったのか、ちょっと僕では見当がつきません」とマーフィー騎手は首をかしげる。斉藤調教師も「調整もうまくいっ結果は8着。勝ったのはゴール寸前Writer profile 15土屋 真光 Masamitsu Tsutiyaフリーライター。東京出身。初めて見に行った香港・シャティン競馬場で、フェアリーキングプローンのデタラメな凱旋セレモニーと、英国ダービーの馬券発売に衝撃を受け、以来、香港競馬にどっぷりとはまる。中央、地方、海外と分け隔てなく取材。JRA海外競馬サイト他各種競馬媒体のほか、週刊プレイボーイなどに寄稿。   

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