ECLIPSE_202412_12-15
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な』と思ったのがきっかけでした」予備登録に至った状況を斉藤崇史調教師は振り返る。キラーアビリティは当初、この秋はオーストラリアのコックスプレートに遠征する計画が上がっていた。だが、この時期のメルボルンで行われるレースに外国馬が遠征するためには、予めCTスキャンなどの診断データを送る必要があり、その内容がメルボルン側の基準に合わず、遠征を断念したタイミングでもあった。目標を一旦、国内のオールカマーに切り替えたところで、間隔もちょうどいい。僚馬のヤマニンサンパと共に登録すると、まずキラーアビリティの招待が内定。続いて、ヤマニンサンパにも招待が届いた。員、そしてノーザンファームから丹治誠人氏と土屋武獣医が帯同。輸送は、まずドバイへと定期の貨物便で飛び、そこからバーレーンまではチャーター機での移動となった。このチャーター機が大型の貨物機ではなく、馬をスロープで歩かせて搭乗させるタイプのもの。ヤマニンサンパはこれに少し戸惑ったようだったが、キラーアビリティは全く動じるところも見せなかったそう。「仮に違う遠征先でも、馬は〝輸送〟についての経験はしっかりと覚えているので、未経験と2回目以降ではかなり違います」と土屋獣医は、2月のサウジアラビア遠征での経験が大きく活厩舎からは柘植要助手、東義隆厩務きたと話す。また、受け入れ先のREHCも必要なもの・ことは、全て対応してくれたそう。この辺りはすでに型ができているドバイやサウジなどと異なり、スモールスタートである分、柔軟性があるのと、何より検疫的に問題ない範囲でホスピタリティを最優先するという配慮が、大いに伝わってきた。頭の調教に順に跨っていたが、12日火曜日からは団野大成騎手が合流し、柘植助手はキラーアビリティの専任となった。柘植助手は今年春から斉藤厩舎に所属となった人物で、それ以前はエイダン・オブライエン厩舎やチャーリー・アップルビー厩舎などで名馬を任された腕利き。普段はキラーアビリティの担当ではないが、サウジ遠征から帰った際の阪神競馬場での調整でも携わっており、そういった経緯もあって、今回の遠征でも担当となった。キラーアビリティのレースでの鞍上は、オイシン・マーフィー騎手が配された。英国で騎乗があったため、レース当日朝のバーレーン入りで、調教に跨ることはなかったものの、「日本でG1を勝っているし、サウジでいい走りをしているのを同じレースに乗って見ています。十分に勝てると思います」と、筆者の問いかけに意気込みを見せていた。陽はすっかりと落ち、ナイター照明December 2024 vol.27514       11月11日月曜日までは柘植助手が2キラーアビリティ バーレーンインターナショナルトロフィー2024─バーレーン遠征記と同国の競馬事情─

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