HorseracngCubEquestrian(Rashd現地時間11月15日、中東のバーレーン王国の首都マナーマの郊外、アルラファにあるラシッド馬術競馬クラブ以下REHC)で、国際G2バーレーンインターナショナルトロフィーが開催された。バーレーンはペルシャ湾に浮かぶ群島の国で、西南をサウジアラビア、東をカタールに囲まれる形で位置している。島国なので陸地ではどの国とも国境を接していないが、サウジアラビアのダンマームとは橋で結ばれており、これが唯一の陸路での国境となっている。バーレーンも、周辺のアラブ諸国同様に古くから純血アラブ種を主とした馬文化が盛んで、小規模ながらプライベートの競馬も王族らの間で行われていた。第二次世界大戦後の1947年に王室の主導でこれらのプライベートな競馬が一旦集約され、1977年に統括団体としてREHCが設立された。設立当初は首都のマナーマで競馬開催がされ、後にアルリファー地区での競馬開催を経て、1981年に現在の場所に開設された競馬場での開催が行われるようになった。現在の競馬場は「サヒール競馬場」という名称もあるがあまり一般的ではなく、REHCの名称がそのまま競馬場を意味することの方が通例となっている。バーレーンで行われる競馬はサラブレッドと純血アラブによるもので、サラブレッドは輸入馬のほか、バーレーi&il ン内国産馬によるものも行われている。つまり、バーレーンでも小規模ながら生産は行われており、2019年は111頭を生産している。現在のバーレーンの競走馬の全頭数が400頭弱とのことで、比率としてはかなり大きい。また、現在のバーレーンの競馬の特徴は、全てのレースが芝コースで行われていることだ。REHCは右回りのおむすび型のコースで、1周の距離が外回りが2300m、内回りが2100mと、東京競馬場にも引けを取らない。更に、外回りの最終直線は600mあり、国際的に見てもかなり規模の大きい競馬場であることが判る。芝質は内回りがバーミューダグラスのみで、外回りはこれにペレニアルライグラスがオーバーシードされている。バーレーンインターナショナルTではこの外回りが使用されるほか、実はサウジカップが開催されるサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場の芝は、ここで生育したものを、土壌ごと移設したものがベースとなっている。以前より、カタールなどと同様に、ヨーロッパからの移籍や、ヨーロッパの騎手が冬シーズンに騎乗する先としては認知されていたバーレーンの競馬が、国際的に知られるようになった上でまず大きかったのが、バーレーン籍のファウジ・ナス調教師が管理するクリプトンファクターが、2012年にドバイゴールデンシャヒーンを勝利しDecember 2024 vol.27512Text: 土屋 真光キラーアビリティ バーレーンインターナショナルトロフィー2024─バーレーン遠征記と同国の競馬事情─
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