ECLIPSE_202409_4-9
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く、ウォーミングアップの時間も短くするように助言する。 「障害を飛越するのは馬であり、そこでベストなパフォーマンスを発揮させるためにも、勇気を持って馬を休ませる選択をするべきだと思いました。あとは疲労が残っているからこそ、本番前には馬をピリッとさせてほしいとも伝えました」(楠木主任)全長365メートルのコースに配置された、障害物の数は10個。最初の1つを人馬一体となって軽々と飛んだ佐藤選手は、難所とされる連続障害もクリア。最後の障害を難なく飛び越えると、静寂に包みこまれていた会場内から大きな拍手が起こった。 「自分が指でなぞった通りの完璧なコース取りであり、何の文句もつけようがない、完璧な騎乗でした。競技の後、すぐに吉田副代表から電話が来たのですが、『他の選手より上手いね』と話されていたように、関係者から見ても、馬術選手と見間違えるほどの飛越、走行だったと思います」(楠木主任)  8   コーチにある伝言を託していた。の元にかかってきた電話で、話したアドバイスとは別に、楠木主任は津山 「出番前にウォーミングアリーナから競技場に行くまでの間に、津山コーチには私が電話で話したアドバイスを、佐藤選手に一つずつ伝え復唱させて欲しいと伝えました。耳から入れた情報を声に出すことで作戦を再確認して、彼が冷静な気持ちで競技に臨めると思ったからでした」(楠木主任)レースの前に佐藤選手から楠木主任楠木主任のアドバイス通りに、馬術で300点満点の2位スタートを切った佐藤選手は、そこから本人が話すところの「無双状態」となる。続く、フェンシングでも2位をキープ。水泳では4位に順位を下げたものの、得意とする射撃・ランニングでは、途中で順位を1つ上げて、メダル圏内へと入っていく。 「これまでの大会では馬術での減点を取り戻そうとするばかりに、他の競技でも点数が伸ばせずにいました。それが今回は馬術で満点スタートとなったことで、余裕を持って他の競技に臨めただけでなく、逆にこれまで馬術でリードされていた他の選手たちに、プレッシャーを与えることもできたようです」(楠木主任)佐藤選手は冷静にレーザーピストルの引き金を引くと、ランニングでは最後の力を振り絞りながら2位でゴールする。その瞬間を、楠木主任も見届けていた。 「4位で射撃・ランニングの競技を迎えた時、銅メダルはあるなと思いました。それがまさかの2人抜きでの銀メダルだったので、物凄く感動しました」(楠木主任)表彰式の後、佐藤選手から楠木主任の元に「やりました!」と喜びを伝える電話と、そして銀メダルを携えた画像が送られてきた。 「その言葉を聞いた時に、自分は逆佐藤選手だけでなく「初老ジャパン」とも大学時代からの付き合いがあったSeptember 2024 vol.272佐藤選手の練習パートナーを務めた元競走馬のサラブレッド乗馬シュミレーターを使っての練習風景パリオリンピック近代五種 銀メダル獲得の舞台裏─ノーザンファーム 楠木貴成氏インタビュー─

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