ECLIPSE_202409_13-21
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にあたる。モズアスコットのダート適性も、この米国所縁の優秀なボトムラインがもたらしたものだろう。モズアスコットの初年度産駒は、現在2歳。8月18日までに、中央では札幌芝1500mの新馬戦を4馬身差で快勝したメリディアンスターなど4頭が計4勝を挙げている。地方でも3頭が計4勝と、まずは好スタートを切ったと評していい。まだ産駒の傾向を判断するには早過ぎるが、芝とダートの両方で産駒が勝っている点は、モズアスコットらしくも感じられる。今年の募集馬では、ヴィータアレグリ        (サラブレッド血統センター アの23がキャロットクラブ第1号となるモズアスコット産駒。母ヴィータアレグリアは現役時に芝1800mで1勝、ダートの1600〜1800mで3勝の計4勝。船橋ダート1600mのマリーンC勝ち馬で、川崎ダート2100mのエンプレス杯で2着と3着を1回ずつ記録した。その一方で、キャリア初勝利を中山の芝1800mで挙げてもいて、芝に適性がなかったわけでもない。この母にモズアスコットという配合は、様々な可能性を秘めているが、少なくともスピード面の強化は期待していい。あとは芝向きか、ダート向きか、もしくはいわゆる〝二刀流〟か。筆者はダート向きに出る可能性が高いように思うが、果たしてどうか。いずれにしても、あらゆる意味で楽しめそうな1頭だ。藤井慎一)ブリガアルタの23、及び、ローガンサファイアの23の父ヴァンゴッホは、クラシック(D10F)を制し、「グランドスラム」を達成したアメリカンフェローの直仔である。現役時代の実績から、パワフルなダート馬を多数送り出すことを誰もが想定していたアメリカンフェローだったが、実際には、19年に2歳となった初年度産駒から、G2BCジュヴェナイルターフスプリント(芝5F)勝ち馬フォーホイールドライヴや、G3ボワ賞(芝1000m)勝ち馬メイヴェンらが出現。翌年10月にG1クイーンエリザベス2世CC(芝9F)を制し、父にとって初のG1勝ち馬となったハーヴィーズリルゴイルもまた芝馬で、カフェファラオやダノンファラオのように日本のダート戦線で活躍した産駒も出てはいたものの、予測とはいささか異なる傾向が見られたのが、種牡馬アメリカンフェローだった。その父の、2世代目の産駒の1頭となるのが、2歳10月にサンクルーで行われたG1クリテリウムインターナショナル(芝1600m)を、4馬身差で快勝したヴァンゴッホだ。アメリカンフェローからはその後、G1ビホルダーマイルS(D8F)を制したアズタイムゴーズバイなど、ダートG1勝ち馬も出ているが、その一方で、シャトル先のオーストラリアでも、G1ローズヒルギニーズ(芝2000m)など芝のG1を3勝したリフロケットらが登場。芝適性が高いことは、もはや疑えない事実となっている。ましてやヴァンゴッホは、母の父がサドラーズウェルズだ。ブリガアルタの23の母も、ローガンサファイアの23の母も、いずれも芝レースの勝利馬で、両馬の活躍の場は芝になる可能性が高いと見るべきだろう。パドゥヴァルスの23の父ポエティックフレアは、3歳だった21年にG1英2000ギニー(芝8F)、G1セントジェームスパレスS(芝7F213y)を制し、トップマイラーとの評価を得た馬だ。中でもG1セントジェームスパレスSは、後続に4・1/4馬身差をつける完勝だった。さらに、G1英2000ギニーの後は中1週でG1仏2000ギニー(芝1600m)を走り、そこから連闘でG1愛2000ギニー(芝8F)に出走するという、極めてタフなローテーションをこなした馬で、そんな中でG1愛2000ギニーでは短頭差の2着に健闘している。その頑健さは、産駒に継承されているはずだ。─ 本募集世代が初年度産駒─国内繋養海外生産・調教種牡馬ヴァンゴッホポエティックフレア17ヴィータアレグリアの23パドゥヴァルスの23 15年に米国3歳3冠に加えてG1BC

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