ECLIPSE_202402_2104
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時の流れは、スプリンターズSより速いハイペースのように思える。サンデーサイレンスの時代から、ディープインパクト、キングカメハメハが種牡馬のエースの時代に移行したと思ったら、もうキングカメハメハの孫サートゥルナーリア(父ロードカナロア)、ディープインパクトの孫ミッキースワロー(父トーセンホマレボシ)が2021年の春から種牡馬入りする時代になってしまった。シーザリオ(父スペシャルウィーク)が、突然、亡くなった。まだ19歳だった。わたしたちは、これからエピファネイアやサートゥルナーリアの血統図を目にするたびに、シーザリオを思い出すのだろう。いや、思い出さないかもしれない。   忘れねばこそ     現代風にすると、   「思い出すことはありません」       限りない慕情はずっと続くはずだ。ここ3〜4年、天寿というにはまだ               7月ディープインパクト(17歳)早い名馬の死が連続している。  2018年   4月スペシャルウィーク(23歳)   5月テイエムオペラオー(22歳)2019年     4月ウオッカ(15歳)   8月キングカメハメハ(18歳)  2020年   8月ハットトリック(19歳)思い出さず候(そうろう)なぜって、「忘れないから…」   12月シンボリクリスエス(21歳)   12月スイープトウショウ(19歳)  2021年   1月クロフネ(23歳)   3月シーザリオ(19歳)   3月ジャングルポケット(23歳)   3月ネオユニヴァース(21歳)エピファネイア(11歳)の父シンボリクリスエス、母のシーザリオ、その父スペシャルウィークがそろって没した。人間の家族と同じ。強く結びついていたからに違いない。シーザリオには、人びとを魅了するバランスを誇った父スペシャルウィークの面影もあれば、母の父サドラーズウェルズの持つ大レース向きのムードと、そう大きくはない身体なのに、他を威圧する迫力があった。1999年、10月の京都大賞典から細身のスペシャルウィークは、その祖母の父に登場するセントクレスピン系の身体だとされた。輸入種牡馬セントクレスピン(1959年の凱旋門賞馬)の父は、エリザベス女王陛下所有のオリオール(父ハイペリオン)である。スペシャルウィークの牝系は、4代母が1949年のオークス3着のシラオキ(父プリメロ)。牝祖は1907年に輸入されたフロリースカップ。シーザリオの伸びやかなフットワークはスペシャルウィーク(父サンデーサイレンス)譲りなら、3歳春にアメリカンオークスを独走した芯の強さApril 2021 vol.2313216キロも絞って天皇賞(秋)を制した〜一族の発展はこれからだText: 柏木 集保─追悼企画─シーザリオを忘れない

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