ECLIPSE_202310_10-14
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ランスでも、アルゼンチンでもウルグアイでも、そして、ブラジルでもG1を勝つことができる。外国で種牡馬として供用された日本馬は少なくないが、ハットトリックほど世界を股にかけて活躍した日本の種牡馬はいない。話は逸れるが、せっかくブラジル競馬を見ているということで、ブラジル産馬とキャロットクラブの関係についても触れておきたい。1997年、ブラジルでコーレイという馬が産まれた。ノウハイツ産駒の牝馬である。コーレイは3歳となった2001年に、ブラジルのオークスにあたるG1ヂアナと、ダービーにあたるG1クルゼイロ・ド・スルのどちらも優勝した。なった。2006年にキーンランドで開かれたセールに上場されると、20万ドルで日本に落札されて来日が決まった。ハメハとの間に産んだアパレシーダと、2013年にダイワメジャーとの間に産んだオリンダは、キャロットクラブの所属馬だった。発になっている。キャロットクラブが再び、ブラジルにルーツを持つ馬と出会うかもしれない。もしかしたら、いずれ日本にハットトリック産駒の牝馬が輸入され、その牝馬の仔がキャロッその後、アメリカに渡って繁殖牝馬とコーレイが2008年にキングカメ昨今は、国を跨いでの馬の移動が活トクラブと縁を結ぶかもしれないという夢も描ける。話を、ブラジルのハットトリックに戻そう。ハットトリックが種牡馬として全盛期を迎えたのが、2022/23シーズンだった。産駒の勝利数は101勝の大台に達した。そのうち重賞は13勝、G1は7勝である。274万5000レアルという獲得賞金は、ブラジルにいる種牡馬の中でトップの数字だった。つまり、ハットトリックは2022/23シーズンのブラジル種牡馬リーディングを獲得し、一国の生産界の頂点に君臨したのである。ちなみに、リーディング2位は256万6373レアルを稼いだアグネスゴールドだった。日本からもっとも遠く離れた国であるブラジルで、日本産のサンデーサイレンス系種牡馬がリーディングの1位・2位を占めたとは興味深い。ハットトリックの種牡馬リーディング獲得に、大きく貢献した産駒が3頭いる。 1頭目は、冒頭で触れたフィガロである。フィガロは、ジーコ氏がプレゼ5月5日の2歳G1ジュリアーノ・マルチンスも優勝し、2022/23シーズンのモソロー賞最優秀2歳牡馬に選出された。2頭目が、キラチドイグアスである。重賞勝ちはないものの、この馬もフィガロと同じく、ブラジル南部ポルト・アレグレにあるクリスタル競馬場で開かれた、高額賞金の2歳特別競走を優勝した。 3頭目が、ラプターズである。ラプターズは、G1クルゼイロ・ド・スルとG1ブラジルを優勝した。ブラジルの二大競走を勝利したことで、2022/23シーズンのモソロー賞年度代表馬と同時に、最優秀3歳牡馬のタイトルも受賞した。2023年8月、ラプターズはアメリカの馬主に売却された。G1ブラジルを勝ったことでBCターフの優先出走権を持っているため、新しい馬主はラプターズをBCターフに出走させる予定だという。もしかしたら、アメリカでブラジル・ハットトリック産駒と日本馬が戦うことがあるかもしれない。13ラプターズ            走ンタをー勝を利務しめたただ高け額で賞な金くの、22歳0特2別3競年マイルCS(2005年)

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