ら、純然たるステイヤーをイメージしがちですが、血統表をつぶさに観察しますと、また別のイメージが浮かび上がります。父はディープインパクト、母リュヌドールは伊G1優勝馬(勝ち距離:芝10〜12・5F)、母父グリーンチューンは仏2000ギニー、イスパーン賞など芝8Fのレースを中心に実績を残したマイラー。ここから推測するに、本馬の本来の距離適性は芝10す。現に天皇賞・秋ではメンバー最速の上がり32秒7の豪脚を繰り出し、女傑アーモンドアイに半馬身差まで肉薄し、自身の優れたスピードと瞬発力を披露しました。柔らかみとボリュームのある筋肉をまとった馬体は、軽やかな歩様と相まって、中長距離=クラシックを狙える正統派種牡馬の印象を見る者に与えます。祖母ブエナビスタから爆発的なスピードを、ピースエンブレムの22(メス)は母父ウォーエンブレムから類まれな闘争心を受け継ぐことでしょう。フィエールマンの血との相乗効果は、産駒に更なるポテンシャルを付与してくれると期待しています。フィエールマンの現役時の実績か〜12Fあたりにあったのではと思いま募集馬のコロナシオンの22(牡)は、2017年の最優秀ダートホースに輝いたゴールドドリームは、引退までの5年間、常にダート界の中心的存在として活躍。母系はサドラーズウェルズやヌレイエフなどを送り出した名牝系で、ゴールドアリュール後継種牡馬の中でもひときわ魅力的な血統構成となっており、供用初年度の2021年には212頭、昨年は181頭、今年は138頭に種付けしました。種付けも上手でこちらが惚れ惚れするほど無駄な動きが一切なく、200頭を超える種付けにもバテることはありませんでした。現在580キロを超えた馬体は、いかにも〝ダート馬〟といった感じではなく、皮膚が薄くしなやかな動きを見ていると、芝でも活躍する産駒が出るのではと思うほどです。父譲りの勝ち気な性格の産駒が多いようで、レースでも勝負強さを発揮してくれることでしょう。米国血統にダートG1馬を配合のペニーウェディングの22(メス)、母は交流重賞勝ち馬でルヴァンスレーヴやアエロリットらのG1馬と同じく母の父にネオユニヴァースを持つヴィータアレグリアの22(牡)の募集産駒2頭には、新設されるダート三冠路線を賑わしてほしいですし、特に後者にはゴールドド(遠藤幹)リーム初年度産駒からの重賞制覇という夢も膨らみます。 (石川宣寿)フィエールマン ─ブリーダーズ・スタリオン・ステーション ゴールドドリーム─レックススタッド17コロナシオンの22ヴィータアレグリアの22フィエールマン(2020天皇賞・春)ゴールドドリーム(2017チャンピオンズカップ)
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