ECLIPSE_202307_16-19
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種付け料で種牡馬入りをして初年度は109頭、2年目は79頭の繁殖牝馬が集まった。3年目にはノヴァラパークに新種牡馬のキングオブコメディが入ってきたため、牧場側も新種牡馬のサポートのためにステファノスを付けていた繁殖を回し、種付け頭数は33頭に留まったが、4年目には産駒の出来の良さが評判を呼び、他牧場の繁殖牝馬を中心に75頭の牝馬が集まった。5年目となる2023年は、初年度産駒のピニャンの活躍を受けて、種付け料は倍増の15000NZドルとなったが、既に多くの問い合わせがきており130頭から140頭の繁殖が集まる見込みだ。      ノヴァラパークも、今年は8頭のG1る、同じくディープインパクト系種牡馬サトノアラジンが45000NZドル、新種牡馬のプロフォンドが17500ドルということを考えると、既に産駒からG1勝ちの実績があるステファノスがこの値段ということで、ニュージーランドの生産者から高い人気を得るのも当然だ。ムオロ氏の勝ち牝馬を含む、多くの優秀な牝馬にステファノスを付ける予定だそうだ。 「これからも牧場をあげてステファノスを売り出していくつもりですが、ステファノスの種付け頭数は最大でも140頭くらいまでに抑えるつもりで、量よりも質を重視した繁殖に付けステファノスは7000NZドルのニュージーランドで繋養されていていきたいと思っています。今期待している産駒はギガキック(オーストラリアの現短距離王者で昨年のジ・エベレスト、短距離G1を2勝している名馬)の半妹とステファノスの配合の当歳の牝馬です。とても良い形で出ているので、来年のシドニー・イースターセール(オーストラリアで最も厳選された良血が集まるセリ)に上場できればと思っています」サトノアラジンがディープインパクト系種牡馬として既に素晴らしい実績を出しているが、日本血統の導入に力を入れており、情熱を持ってステファノスをバックアップしていくノヴァラパークのサポートの元で、これからステファノスがサトノアラジン以上の活躍をする可能性は十分にありそうだ。ムオロ氏が語るように、焦らずにじっくりと調整している楽しみな産駒たちがデビューを控えており、初年度産駒が3歳になり、そして1600m以上の距離のレースへの出走機会が増えてきた時には、ますますの活躍が期待できる。そして、2023年に集まる質、量ともに優秀な繁殖牝馬の産駒たちがデビューする頃には、ステファノスはディープインパクト系の筆頭種牡馬として、オセアニアの地で確固たる地位を築いているのかもしれない。19©Bradley photosペニーウェカ(父サトノアラジン)Writer profile 川上 鉱介 Kousuke Kawakami豪州の共有馬主クラブ「ライジングサン・シンジケート」代表。2001年に渡豪、障害騎手として活躍。通訳/コーディネーターとして、日本馬の海外遠征や日本人騎手の現地サポートも行う。騎手引退後、多くの方に豪州競馬を楽しんでもらうため「ライジングサン・シンジケート」を設立。日豪の競馬界の架け橋となるため、幅広く活動中。ピニャン(父ステファノス)ステファノス産駒の当歳(ギガキックの近親)

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