ECLIPSE_202307_16-19
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リアで繋養され、ルナーインパクトとカウントドルピーの2頭の重賞馬を輩出している。ラウダシオンには、ゆくゆくはリアルインパクトの後継種牡馬としての役割も期待されているのだろう。オークランズスタッドにて、種付け料9900豪ドルで種牡馬入りしたネオリアリズムは初年度産駒が2歳となり、徐々に活躍の兆しを見せている。初年度産駒の中からはタノシが勝ち上がり、現在5戦1勝。初年度は63頭、2年目は44頭、3年目は12頭と種付け3300豪ドルに値下げられたことと、産駒の出来が良かったためか、4年目となる2022年は36頭の繁殖牝馬に付けられた。躍するオセアニアで、初年度産駒からいきなり2歳G1勝ち馬を輩出し、大きな注目を浴びているのがニュージーランドに移籍をした、ステファノスだ。戦目で初勝利を挙げると、続くリステッド・ウェルズリーS、そしてG2・ブリーダーズSで連続して3着と健闘。同レース後に「距離が長くなれば更に良くなる」と語った陣営の期待通り、満を持して出走した1400mのG1・サイアーズプロデュースSでは内枠を活かしたジョー・ドイル騎手の好騎乗もあ2019年にクイーンズランド州の頭数は減っていたが、種付け料がこのように多くの日本産種牡馬が活初年度産駒のピニャンがデビュー2り、見事にG1初制覇を果たした。ピニャンは2021年にニュージーランドの当歳セリにて、僅か15000NZドルで落札された馬だが、すでに約23万NZドルを稼いでおり、このまま順調にいけば3歳には賞金の高いオーストラリアへ移籍する予定ということだ。現時点でのステファノス産駒の勝ち上がり馬はピニャンだけだが、オーストラリアで走るトーキョースターが南オーストラリア州、アデレードのG3・サイアーズプロデュースSで4着に入るなど、これから多くの馬が勝ち上がっていくだろう。そんなステファノスを繋養するノヴァラパークのルイージ・ムオロ氏にステファノス産駒の活躍について話を伺った。 「ステファノス産駒は3歳になってから良くなっていくと考えているので、2歳のこの時期からG1勝ち馬を出せるとは思いませんでした。ステファノス産駒の出来の良さには自信がありましたが、いきなり2歳で、しかも1400mという距離でG1勝ち馬を出せたのは嬉しい誤算でした。私の生産馬の中には10月のビクトリアダービーを狙えそうな馬が何頭かいます。今はまだ勝ち上がった馬は少ないですが、9月から10月になって初年度産駒が3歳になる頃には、一気に活躍する馬が出てくると思います」ムオロ氏が語るように、産駒の馬体や競馬振りを見ていても時間の掛かりそうな馬が多く、また距離も1600m〜2400mでの活躍が期待できそうな馬が多いという印象だ。ピニャンも3歳になって更に良くなりそうで、ステファノスの種牡馬としてのポテンシャルは、かなり高そうだ。 「我々は日本の血統を研究し、ステファノスと相性の良い繁殖を集めています。特にイルーシヴクオリティ系の牝馬と、ディープインパクト系であるステファノスとの相性は抜群です。フィアースインパクトやケイアイノーテック、ショウナンアデラもイルーシヴクオリティ系とディープインパクト系との配合です。ステファノス産駒の最初のG1馬のピニャンもイルーシヴクオリティ系のセポイ産駒の牝馬なので、やはりこの配合は間違いがないですね。ステファノスは繁殖牝馬の大小に関わらず、とても運動神経の良さそうな仔馬を出しているので、ステファノスの種牡馬としての能力はかなり高いと思っています」これだけ日本の血統を研究し、種牡馬のポテンシャルを引き出すために全力でサポートをするノヴァラパークに移籍をしたことはステファノスにとって、とても幸運だったと言えるだろう。July 2023 vol.25818ネオリアリズム(リアルインパクトの半弟。今年初年度産駒が2歳となりデビューを迎える)           リアルインパクト(現役時、2015年春に豪G1を2戦して1着、2着)オセアニアで活躍する日本種牡馬と大きな期待を受けるステファノス

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