残念ながら、ヒトツは怪我により古馬としての本格化を前に引退を余儀なくされたが、マズやキボウはまだまだこれから勝利を積み重ねていきそうだ。モーリス産駒はセリでも大人気で、2022年は1歳馬の平均落札価格が約17万5000豪ドル、2023年はシャトルに来ていなかった空白の1年だが、唯一上場されたモーリス産駒(日本で南半球季節に合わせて種付けられた産駒)の1歳は、50万豪ドルで落札された。再び1歳馬がセリに上場される2024年は、更なる価格高騰が予想される。サトノアラジンは日本ではまだ活躍馬を出していないが、オセアニアで大ブレイクしている1頭だ。初年度からオーストラリアとニュージーランドの両国でオークスを制したペニーウェカを筆頭に、3頭の重賞勝ち馬を、2世キョータイクーンを出しており、その勢いは止まるところを知らない。モーリスは2017年に30000豪2023年には82500豪ドルに。サトノアラジンは12500NZドルから、45000NZドルへの値上げが決まっている。ては、現在初年度産駒が2歳となっている新種牡馬のブレイブスマッシュが注目を浴びている。オーストラリアの新種牡馬リーディングでは、獲得賞金順でこそ産駒が高額賞金レースのイングリス・ミレニアムを制したジャスティファイに水をあけられているが、勝ち上がり頭数と勝利数では、他の新種牡馬に大きく差をつけてトップを走っている。早熟な短距離馬の価値が高いオーストラリアでは既に高い評価を得ており、一時期は16500豪ドルまで下がった種付け料も2023年は33000豪ドルとなり、また繋養牧場もクイーンズランド州のアクイスファームから、オーストラリアの生産の中心である、ニューサウスウェールズ州ハンターバレーにある名門ヤラマ代目の産駒からもG1勝ちのトー両馬の種付け料は右肩上がりで、ドルでスタートした種付け料が、その他の日本産の種牡馬の活躍としンパークへと移籍することとなった。その他にはトーセンスターダムが、産駒の出足は遅かったもの初年度産駒のシュリケンが4戦2勝、G2で4着の活躍を見せて香港へと移籍するなど、少しずつ活躍馬を出し始めている。ちなみに、ブレイブスマッシュとトーセンスターダムは現役時代からオーストラリアへ移籍し、共に日本時代は届かなかったG1タイトルをオーストラリアの地で手にした馬だ。もちろん全ての移籍馬が成績を挙げているわけではなく、期待されて移籍をしながらも結果を出せなかった馬もいるが、オーストラリアに適性がある日本馬は、移籍をすることで大きく成績を向上させている。日本で1勝クラスだったエイシンルークやダノンロマンは、リステッド級で活躍した。弊方ライジングサン・シンジケートで移籍させたマイネルレガシーは日本では未勝利であったが、オーストラリアへ移籍後に1年で既に4勝を挙げている。最近では、リアルインパクト産駒のラウダシオンの移籍が決まり、オーストラリアでの更なる活躍が期待される。ラウダシオンの父リアルインパクトも、2016年から2018年にかけてシャトル種牡馬としてオーストラ17©Bradley photosステファノス ヒトツ(父モーリス)
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