に改めて挨拶にうかがうと「かわいく撮れていて良かったですよ」。そう言っていただいて、胸がジーンとなりました。担当の金濱さんにも、何度助けてもらったか分かりません。レシステンシアと一緒に写っている金濱さんの笑顔や人の良さ、それがにじみ出ているのも、一連の写真に花を添えてくれているように感じます。技術的な裏話にも、少し触れておきましょうか。当たり前のように写っている体重計の数字ですが、実はこれ、最初のテスト撮影ではまったく写らなかったんです。体重計の数字は、昔のブラウン管テレビと同じように、目にら、普通に撮影すると、線が入ったりせん。写真がブレやすくなりますから。バー。数字を写すために、あえてシャッ隠れているんです。は見えないけれど点滅している。だかしてきれいに撮れないんです。カメラの設定を何度も何度も調整して、最終的にきれいに撮れたのは125分の1のシャッタースピード。これは朝早い時間や、光を多く取り込みたい時の設定ですね。明るい時にこのシャッタースピードで撮ることは、滅多にありまでも、そこはテクニックとハートでカタースピードを落とす。何気なく見える写真にも、実はちょっとした工夫が一方、一連の写真でベストショットをひとつに絞るのは、本当に難しいです。体重計にそっぽを向いてしまった写真や、なぜか体重が大きく減ってしまった写真、どれも思い出深いものばかりですから。ただ、出会いという意味では、最初の体重計を見つめている写真は間違いなくベストショットのひとつでしょう。〝女の子の秘密を垣間見てしまった〟。中の人が絶妙なタイトルをつけてくれて、それを皆さんがSNSで盛り上げてくれて、たくさんの人に見てもらうことができた。それが本当に嬉しかったですし、これだけ大きな反響をいただいたのは、自分にとっても初めての経験でしたから。もちろん、自分はまだまだ勉強中の身。ほかの人の写真を見て「あぁ、こんな場面あったんだ」と思うことが今でもたくさんありますし、反省点だらけの毎日です。もっともっとレベルアップして、皆さんに恩返しができればと思っています。僕は撮影を通して、レシステンシア にいろんなことを教わりました。引退はとても寂しいですが、きっと次のステージでも活躍してくれることでしょう。そして、いつか子供がトレセンに入ってきたら、また体重計の写真を撮りに行けたら嬉しいですね。132022高松宮記念出走前 シリーズ2年目に突入2022安田記念出走前 少し重かった?うなだれるレシステンシア2023サウジ遠征前・最後の体重計Columnist profile 久保 彰久 Akihisa Kubo1973年生まれ。東京スポーツ新聞社入社後、現在まで写真部(現・写真映像部)ひと筋25年。競馬をはじめプロ野球などスポーツ取材に従事。東スポ競馬WEB開始とともに栗東トレセンを中心とした競馬担当に。写真は「撮る」が、馬券はまったく「獲れない」カメラマン。週の半分をトレセンで過ごし、週末は競馬場で取材にいそしむ。
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