ECLIPSE_202306_12-13
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皆さん、はじめまして。東京スポーツ新聞社・カメラマンの久保彰久です。と言っても、レシステンシアのファンの方々には「体重計のカメラマン」と言ったほうが分かりやすいかもしれませんね。まるで人間のような表情で体重計を見つめる彼女の写真は、SNSを通してたくさんの反響をいただきました。この場をお借りして、改めてお礼を言わせてください。今回はその感      謝の気持ちも込めて、撮影の舞台裏を皆さんにお伝えできればと思っています。まずは、レシステンシアとの〝出会い〟からお話しましょう。彼女が2歳女王に輝いた19年の阪神JFで、表彰式の時に虹が掛かっていましたよね。競馬場に虹が掛かるというのはそう珍しくはないんですが、あのタイミングに、松下厩舎のピンクの馬装もかわいているので、跳ねたチップが光に当たって、きれいに写るんです。写真を撮っていくうちに、どんどんレシステンシで虹が出るというのはちょっとない。あれを見た時から、〝あぁ、この馬は何か持っているな〟と。そこからですね。特別な存在として見るようになったのは。追い切りでも、レシステンシアはとても見栄えのする馬でした。体が大きくて、チップの跳ねも大きくて。それくて(笑)。調教の始まるタイミングが開門より少し遅いのも、ポイントのひとつでした。そのぶん太陽が上がっアに惹かれていったのを覚えています。体重計の写真の撮影が始まったのは、21年の高松宮記念からです。追い切り翌日に厩舎へうかがうと、担当の金濱さんが「今から馬体重を計りにいくけど」と声を掛けてくれたのが、きっかけで。今でこそ、シリーズのようになった体重計の写真ですが、その時はまさかこんなに続くなんて、夢にも思っていませんでした。まずは、レシステンシアに「ありがとう」を言わないといけませんね。馬が体重計に乗っている時間は、どれくらいだと思いますか?たった10秒ほどです。以前もほかの馬で体重計の写真を撮影したことはありましたが、乗って終わりというケースが大半。あの短時間で、あれだけ多彩な表情を見せてくれる馬を、僕はレシステンシア以外に知りません。舌を出したり、うつむいたり、体重計をのぞき込んだり…。もしかしたら、レシステンシアは本当に数字が読めていたのかもしれませんね。馬にも人間と同じように、いろんな表情がある。彼女の写真を見ていると、本当にそれがよく分かります。もちろん、これだけ継続して撮影ができたのは、松下先生をはじめ、担当の金濱さん、厩舎スタッフの方々の協力があってこそ。本当に感謝してもし切れません。今回、レシステンシアのお話をさせていただくにあたり、先生June 2023 vol.257122021スプリンターズステークス出走前 金濱さんと二人で数字を見つめている2021高松宮記念出走前 ここから体重計シリーズがはじまった2021ヴィクトリアマイル出走前レシステンシアに 恋したカメラマンの1231日

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