統表には父の母エアグルーヴ、母の父の母ベガと、トニービン2大牝馬が対峙(トニービン3×4)しています。強烈な自己主張の綱引きが、規格外のポテンシャルを生み出す可能性もあります。種牡馬ディープインパクトの大甥にあたり、これまた名馬にして大種牡馬キングカメハメハを父に持つ、日本ダービー馬。戦歴的にも血統的にも、最上級のプロフィールを備えた本年のルーキーサイアーで、本馬は128頭を数える初年度血統登録産駒の1頭です。産駒が初めて競馬場を走る、ファーストシーズンの期待感はすべての種牡馬に共通するものですが、今世紀の2大チャンピオンサイアーが間接的に手を組んだ形となるレイデオロの血統には、特別な高揚を掻き立てられます。トールポピー、秋華賞馬アヴェンチュラの全妹。戦績は姉に劣りますが、昨年のジャパンC優勝馬ヴェラアズールを産んだ同じく姉のヴェラブランカは、競走馬として2勝止まりでした。この母もまた、潜在能力を繁殖生活に温存したという見方もできるでしょう。いずれにせよ、父、母系ともダービーコース御用達血脈の集合体といえ募集番号101「アドヴェントスの母のアドヴェントスはオークス馬ます。募集番号102「ミスベジルの21」の母ミスベジルは、BCクラシックなどG1・4勝の米年度代表馬セイントリアムをはじめ、きょうだいに4頭の北米グレード勝ち馬がいる血統。その中の1頭、G2モリーピッチャーS勝ちのクワイエットジャイアントは、こちらもBCクラシック勝ちの米年度代表馬、ガンランナーの母になりました。つまり、ミスベジルは、米チャンピオンホースの半妹にして叔母でもあるわけです。自身もアラバマS、CCAオークスと、G1で2回3着に入って素質の一端を見せたこの母は、本馬を宿して上場された20年ファシグティプトン11月セールにおいて、220万ドルで吉田勝已氏に落札されました。高騰したハンマープライスは、繁殖牝馬としての信頼性と将来性を物語るものです。ノーザンファームで繁殖生活に入った母と相前後して輸入された本馬は、不動の北米チャンピオンサイアー、イントゥミスチーフの産駒。次年度にスタートするダート三冠を狙いすましたような、極上のアメリカ血統です。ダービーコース御用達血脈の集合体米年度代表馬ファミリーの御曹司栗東・斉藤崇史厩舎予定栗東・高野友和厩舎予定外◯ミスベジルの212歳馬近況写真No.102父レイデオロ 母アドヴェントス 母の父ジャングルポケットイントゥミスチーフ(募集No.102 ミスベジルの21の父)PHOTOS OF THE PRESENT STATENo.101©Spendthrift FarmApril 2023 vol.25550父Into Mischief 母Miss Besilu 母の父Medaglia d'OroWriter profile 藤井正弘Masahiro Fujii1962年生 サラブレッド血統センター所属。競馬四季報編集者。「全日本合同フリーハンデ」ハンディキャッパー。スポーツニッポン紙「血統ロマン」、「血統は語る」、月刊優駿「血統クローズアップ!」、週刊競馬ブック「ファーストクロップサイアー名鑑」等の連載を持つ血統コラムニスト兼バンドマン。 21」の父レイデオロは、名馬にして大牡2497kg牡2454kgアドヴェントスの21
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