シオン。同馬は祖母の父の父がディープインパクトとのニックスに定評のある、ストームキャットでした。本馬は、母の父の母の父がストームキャット。同じく代替わりのニックスを見込めます。募集番号98「マルケッサの21」は、昨年のホープフルSを制したドゥラメンテ産駒ドゥラエレーデの半妹です。ロードカナロア産駒の本馬は、兄と父系祖父キングカメハメハが共通する4分の3きょうだいですが、サンデーサイレンスのインブリードを持たない点が兄との違いです。母のマルケッサは、菊花賞と有馬記念を制したサトノダイヤモンドの半妹。競走馬としては不振でしたが、母として血統に見合う結果を出しました。その父オルフェーヴルの長打力は、ブルードメアサイアーとしても健在といえるようです。精能力に難のあったBCマイル連覇の名馬ルアーの貴重な後継種牡馬です。オルフェーヴルの母の父メジロマックイーンのサイアーラインも同じく、極めて受胎率の低かった名馬メジロアサマを起点に一子相伝で血脈をつないできました。オルフェーヴル×オーペンという母マルケッサには、遺伝面でのヒキの強さが二段重ねで増幅されているのかもしれません。 駒初のG1ウイナーとなったのは、16G1・10勝を含む14戦全勝の歴史的名馬フランケルを父に持つ英国産馬です。一昨年、その父ガリレオから英愛チャンピオンサイアーの座を奪ったフランケルですが、欧州圏に先駆けて産年阪神JFを制した17年のオークス馬、ソウルスターリングでした。他に安田記念、フェブラリーSのモズアスコット、朝日杯FSのグレナディアガーズと、遥かニューマーケットからのリモートワークで3頭の日本調教G1馬を送り出しています。かつてのカーリ祖母マルペンサの父オーペンは、受募集番号99「ノイエルの21」は、アン、キングマンボに比肩する〝親日派〟の在外種牡馬といえるでしょう。本馬の1歳違いの全兄レイベリングも新馬勝ち直後の朝日杯FSで小差3着に入り、G1水準の素質をアピールしました。祖母のベラリダは、仏ダービー馬ルファビュルーの3×3。強いインブリードが代を経て遺伝力に変換されるケースは多々ありますが、86年産のこの祖母をルーツとする牝系も、今なお世界的な繁栄を見せています。募集番号100「カイゼリンの21」は、昨年の最優秀2歳牡馬ドルチェモアと同じルーラーシップ産駒です。初世代のキセキ、第2世代のメールドグラース以降、G1馬が途絶えていた父ですが、後発のドゥラメンテが早世したことでキングカメハメハ系の主軸としての自覚が芽生えたのか、現3歳世代では急激に存在感を増しています。現役時同様、種牡馬としても晩成型だったという解釈が妥当でしょう。祖母のブロードアピールは追い込み馬の代名詞的存在で、爆発的な末脚を武器に芝、ダートの二刀流で重賞6勝を挙げました。直仔から大物は出ませんでしたが、孫世代、つまり本馬のいとこにあたるワグネリアンが、日本ダービー馬となりました。競走馬として完全燃焼した名牝には、隔世遺伝が付き物です。名牝といえば、本馬の血母に増幅されたヒキの強さ親日派でもある怪物フランケル血統表に対峙するトニービンの名牝美浦・鹿戸雄一厩舎予定栗東・中村直也厩舎予定外◯ノイエルの21No.99フランケル(募集No.99 ノイエルの21の父)父ルーラーシップ 母カイゼリン 母の父アドマイヤベガ49©Melanie Sauer PhotographyNo.100父Frankel 母Noyelles 母の父Docksiderメス2396kg牡2477kgカイゼリンの21近況写真&血統コメント
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