名前の通り総合的な能力を求められる競技で、同じ人馬のコンビで、3日間をかけて馬場馬術、クロスカントリー、障害馬術の3種目を行います。メインの種目はクロスカントリー。自然の地形を活かした数キロメートルにわたるコースに、丸太や生け垣、水濠(すいごう)、乾壕(かんごう)、竹柵(ちくさく)などボリュームのある障害物が、距離(クラス)に応じての大会で求められる走行スピードは、分速570m。時速30㎞以上で疾走しながら、様々な障害物を果敢に飛び越していく、人馬ともにスタミナと勇気が不可欠です。クロスカントリーを無事に走り切ったら、いよいよ最終種目。障害馬術の前には審判員と獣医師が、馬が最後の種目に出場できるコンディションにあるかどうかをチェックします。馬に無理をさせないための大切な検査で、これに合格して初めて、障害馬術に臨むことができるのです。3種目それぞれが減点法で審査され、総減点が少ないコンビが上位になります。いずれかの段階で失権してしまうと、最後まで走り切ることができません。まさに人馬の総合力が試される、タフな種目です。■ルール解説と見方【総合馬術】April 2023 vol.2552022年全日本学生大会に出場したアルフレードと宮竹さん。ゴール後、健闘をたたえる広瀬さん アルフレード(柏狼)©c3.photography©c3.photographyクロスカントリー競技では、ボリュームのある固定された障害物を飛越する20〜40個設置されます。トップレベル馬術、やってます(後編)─セカンドキャリアで輝く、元キャロットクラブ所属馬たち─Text: 北野 あづさ
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