RacehorseCup)》は2018年にスタートして今年6年目となりますが、各地で行われる競技会数や参加頭数も増え、《RRC》という名称は馬術関係者だけではなく、競馬ファンの方にも少しずつ知られるようになってきています。また、JRAが主催する《ジャパンブリーディングホースショー》、日本馬術連盟が主催する全日本大会の内国産馬限定競技も、競走転用馬に携わる選手やトレーナーの目標となっています。他にもJRAが毎年表彰する《最優秀サラブレッド競技馬》など、競走転用馬が注目されるいろいろな機会が設けられているのです。馬術競技には障害馬術、馬場馬術、総合馬術、エンデュランスなどいろいろな種目があり、馬に求められることは競技特性に応じて異なりますが、どの種目にも共通して必要なのは、馬が乗り手の指示に集中してそれに従うことで、気性が激しい傾向にあるサラブレッドにとっては大きな課題でもあります。身体能力的には素晴らしいものを持っているけれど、気性が難しくて結果を残せない、ということも珍しくない一方で、競走馬としては大成しなかったけれど、活躍の場を馬術競技に移して才能が開花する馬もいます。また、競技で活躍することはなくても、乗馬クラブで会員さんを乗せて楽しませることが得意な馬もいます。1頭でも多くの引退競走馬が個性に (t《RRCd 合ったセカンドキャリアで活躍できることを願いつつ、それを実現しているキャロットクラブ出身馬たちを紹介します。 《競走馬のセカンドキャリア》や《リトレーニング》という言葉を見聞きすることが多くなりました。競馬を走っていた馬が、レースから引退した後の道はそれぞれで、種牡馬や繁殖牝馬となって競馬サークルに関わり続ける馬もいれば、乗馬や馬術競技馬として新たなキャリアに進む馬もいます。元競走馬の乗馬や馬術競技馬への転向は近年始まったわけではなく、何十年も前から行われてきました。以前は、トレーナーや選手が個々に積み上げてきた知識や技術の中で行われていましたが、それを組織的に行う取り組みが増え、知識や技術を共有することでより効率的に、より良いトレーニングが可能になっています。一方で、馬術競技の世界では海外で馬術競技用に生産された馬(外国産馬)が数多く日本に輸入されています。サラブレッドは速く走ることに特化して改良されてきた品種であり、馬術で求められる動きや技には不向きな面があるのは事実です。そのため、両者が同じ競技に参加すると外国産馬のほうが成績上位になることが多く、「本格的に競技に出るなら外国産馬が圧倒的に有利」なのです。けれども、日本の馬コミュニティは競馬が大半を占めており、そこで生まれた馬たちが1頭でも多く活躍できる環境をつくりたい、そんな思いを持つ人がたくさんいることで、競走馬のセカンドキャリアにスポットが当たるようになったのだと思います。実際、彼らが輝けるステージも増えてきました。全国乗馬倶楽部振興協会が主導する引退競走馬のための競技Reire17クリプトグラム/エネアド ©c3.photography馬術、やってます(前編)─セカンドキャリアで輝く、元キャロットクラブ所属馬たち─Text: 北野 あづさ
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