ECLIPSE_202302_10-12
3/3

落ち着いた様子でパドックを周回し内ラチ沿いから返し馬を行うと、スムーズにゲートインした。スタートは悪くなかったが、真ん中の地元馬に先に前に出られて、中団あたりのポジションに。そのまま直線に入ると懸命に追うモレイラ騎手に応えて脚を伸ばすが、序盤のビハインドをリカバリーできず把握している地元馬にいいポジションを取られ、ベストなレースができませんでした」と悔しそうな表情。松下調教師も「スタートで周りの馬が速く、思ったポジションを取れませんでした。直線も周りの馬が加速した時に、うまモレイラ騎手は「馬場の状態をよくく加速できませんでした。休み明けのぶんなのか、その前にマイルを使ったからそのペースに慣れていた影響なのか」。昨年はスプリンターズSからの転戦だったが、今年は安田記念後に左前第一指骨骨折が判明して、ブランク明けでの挑戦。〝らしさ〟を見せないレースぶりに、敗因を探りながら首をかしげた。地元の絶対王者ゴールデンシックスティVS新興勢力のカリフォルニアスパングルで沸いた7R・香港マイルが終わると、いよいよメーンの8R・香港カップ。現地で単勝14倍の4番人気に支持されたレイパパレは、程よく気合を乗せながらパドックを闊歩した。ゲートが開くと隣のジャックドールに寄られたが、スタートはまずまず。徐々に押し上げ、向正面では内の3番手へ。大きく離しては逃げなかったパンサラッサから、それほど離れていない位置をキープした。十分な手応えで直線に入ったが、ラスト1ハロンを切ったあたりで加速が鈍くなり、9着。「ベストな走りができませんでした。勝った馬はとても強かったです。乗せていただいて感謝しています」とモレイラ騎手は肩を落とした。1200m通過が昨年より1秒97速い1分12秒38で、香港カップ史上初めて2分を切る1分59秒70の決着。先行しながら最後まで抵抗した愛馬を、高野調教師は労った。「ポジショニングは問題なかったと思います。4コーナーの感じからもう少し伸びてくれるかと期待していましたが、他の馬が上回ったかなという感じがします。結果を出すことはできなかったのですが、一生懸命走ってくれましたし、今日は労ってあげたいと思います」気まぐれな香港の勝負の女神にそっぽを向かれたか、結果こそ残念だったが、いまだ閉塞感を感じる状況のなか期待感を抱かせてくれ、海外の強豪牡馬に堂々と立ち向かったレイパパレ、レシステンシアの2頭に感謝の言葉を伝えたい。海外Report13着に敗れた。February 2023 vol.25312レイパパレ 香港カップ パドック Writer profile 橋本 樹理 Juri Hashimoto広島県出身。大学卒業後、スポーツ新聞社に入社。紙面をレイアウトする整理部での勤務を経て、中央競馬担当に。栗東トレセンで16年半、取材活動を続けた。2019年春にフリーに転身。海外や馬産地にも幅を広げ、取材活動に励んでいる。レシステンシア 香港スプリント 本馬場入場   2022 香港国際競走─昨年の雪辱を目指したレイパパレ&レシステンシア─

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る