過去最多の日本馬13頭が出走した2022年の香港国際競走。新型コロナウイルスの影響で2019年の同競走以来、受け入れていなかった海外メディアも、香港政府の水際対策緩和によって3年ぶりに招待された。香港カップ(芝2000m)を目指すレイパパレ、香港スプリント(芝1200m)のレシステンシアはどちらも2年連続の挑戦。栗東の坂路で、レイパパレは53秒2─12秒0(強め)、レシステンシアも53秒9─11秒6(馬なり)と、国内最終追い切りで絶好の気配を漂わせて、11月30日に栗東トレセンを出発。堂々とした姿で、シャティン競馬場に乗り込んだ。関係者や私たちメディアは出国24時間以内に抗原検査を行い、香港到着後には空港でPCR検査。入境後3日間は外食禁止。自身で行う毎日の抗原検査に加え、入境後2日目、香港ジョッキークラブ主催のイベント参加には、当日朝のPCR検査が義務づけられた。隔離が厳しかった昨年より緩和されたが、常に緊張感を持ちながらの滞在だった。というのも、検査で陽性が判明すれば、最低7日間の隔離となってしまう。関係者への取材も必要最低限にすることが求められた。ここまでの関係者の努力を無駄にしないため、イベントや週中の競馬場への外出さえ自粛して備えるジョッキーもいた。緊張感に包まれる私たちの心を軽くFebruary 2023 vol.25310 海外Report2022 香港国際競走─昨年の雪辱を目指したレイパパレ&レシステンシア─Text: 橋本 樹理
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