ECLIPSE_202301_22-25
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ス前日の朝でした。ラッキーな形で、伝統のレースを勝てました」─21年にはスターマンでジュライC(G1)も優勝しました。同馬とのコンビでは、それ以前にも準重賞を勝っていましたね? 「初出走から乗せてもらっていた馬でした。周囲には最初から『将来、G1を勝てるくらい走る馬だ』と話していました。僕はそういうことを滅多に言わないのですが、思わず口にするほど良い馬だったんです。そう言った手前、ジュライCの時は変なプレッシャーがあったけど、結果的に勝てました。オーナーにとっても調教師にとっても、これが初G1勝利だったので、そういう記念すべき勝利に、自分が貢献できたかと思うと良かったで」─手となると、今年も更なる活躍を披露しました。まず、5月にはアレンカーに騎乗して、アイルランドのタタソールズゴールドC(G1)を優勝しました。 「この馬もデビュー当初から乗らせてもらい、本当にタフなタイプであることが分かっていました。決して乗り易い馬ではなくて、この時もライアンが迫ってきてギリギリで勝てました。辛勝だけに、かえって嬉しかったです」ロワイヤリュー賞(G1)を優勝しました。この馬も、デビュー当初から乗っていた馬でしたね? 「彼女はG3、G2、G1と徐々に強くなっていきました。若いうちはよく負けていたけど、オーナーがすごくサポートしてくれて、任せてくれました。お陰で少しずつ確実に成長して、ビッグレースを勝つまでになってくれました」スのクイーンエリザベス2世S(G1)です。ベイサイドボーイに騎乗して、圧倒的な1番人気に推されたインスパイラルを破り、優勝しました。 「インスパイラルが思った以上に走らなかったというのはありますが、この馬自身も良い馬だったので、完璧に仕上がっていれば、ある程度はやれると思っていました。でも、それにしてこうして押しも押されもせぬ名騎更にシーラローザではフランスのそして、記憶に新しいのがイギリも想像以上の瞬発力でした。ここまで走るとは思っていなかったというのが、正直な感想でした」これらの活躍も含め、22年は最終す───た──的に126勝。イギリスに限れば、奥様のホリー・ドイル騎手と並び、2位の91勝をマークしました。 「残念ながら、ホリーを超えられませんでした。でも、同じ勝ち鞍で2位なんて、もう2度とない奇跡ですよね。2人で喜びを分かち合いました」プライベートでは、そのホリー・ドイル騎手とご結婚されたのですが、どのような奥様でしょう? 「彼女は努力家で、尊敬できる人です。14歳くらいで知り合い、共に騎手を目指すうちに仲良くなりました。2人共に〝競馬のためなら努力するのが苦にならない〟という考えが一致していました。また、僕がよい騎手になるためにすることであれば、無条件で応援してくれるのも、結婚の決め手になりました。例えば『3カ月間、オーストラリアに行きたい』と言った時も、理由すら聞かずにOKしてくれまし」─イギリスでは毎日、あちこちで開催があり、必ずしも同じ場所で一緒に乗れるわけではないですよね?そのあたりは、何か調整をされているのですか? 「騎乗する競馬場を合わせようとか、そういった調整はとくにしていません。ですから、なかなか一緒にならない日が続くことも日常茶飯事ですが、分かり合える仲なので問題ありません。同じ大きな開催に双方呼ばれることもあるし、今回は2人で短期免許を取得して、日本で乗れました。JRAには感謝しているし、凄くラッキーでした」日本の競馬や生活は楽しめていますか? 「はい。とても(笑)。日本だと競馬開催が週に2日で、他の日は一緒に過ごせるのも勿論良いのですが、来日した理由がそれというわけではありません。日本馬が世界中で活躍するのを観ていたので、2人共、以前から日本の競馬に興味があり、〝いずれチャンスがあれば、乗ってみたい〟と、ずっとJanuary 2023 vol.25224サファル 10月30日東京 3歳上1勝クラス(8着)ライラスター 11月27日東京 3歳上1勝クラス(1着)─Jockey's File─Interview with Tom Marquand

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