ECLIPSE_202301_22-25
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のある馬でした。グッドウッドで勝った時は、霧が濃くてラスト1ハロンしか見えなくて、気付いたら先頭でゴールしていました(笑)。柔らかい馬場が得意で、オーナーも良い人だったので、若い僕を乗せ続けてくださいました」初の年間100勝を突破。最終的には105勝をマークしました。 「イギリスで年間100勝するジョッキーは、毎年3〜4人。なかなかできることではないので、凄く嬉しかったです。それまで積み上げてきたものが身についたという気持ちで、来年はもっと勝とうと思わせてくれる数字でした」そして一昨年が自身のレコードとなる176勝を記録しました。 「その頃には、〝年間100勝は必ず超えなくてはいけない〟と考えるようになりました。そして、その数字をクリアしながら、G1を勝ちたいと考えるようになりました」こうでのことでした。20年、オーストラリアへ遠征したアデイブに騎乗して、ランヴェットS(G1)を優勝。これが、自身初めてのG1制覇となりましたね? 「その3年前くらいから毎年、冬はオーストラリアへ行っていて、その年も滞在していました。家にいたらウィリアム(アデイブを管理するW・ハガス調教師)から電話がかかってきて、騎乗を依頼されました。3月のレースそんな活躍もあり、18年には自身実際に19年以降も136、147、そんな願いが叶ったのは、海の向だったのですが、イギリスもシーズンインする時期だったため、最初は悩みました。でも、結果的に勝てたので、依頼を受けて正解でした。その時、まだG1を勝てていなかった僕に、依頼をしてくれたウィリアムには本当に感謝しています」同馬とのコンビでは、その後も同じオーストラリアでクイーンエリザベスS(G1)を優勝しました。2着はいずれもベリーエレガントだったのですが、クイーンエリザベスSの3着は日本馬のダノンプレミアムでした。 「ダノンプレミアムは同じ検疫厩舎にいたので見ていて、凄い馬体が良い馬だと感じました。日本馬の強さも分かっていたので、正直『この馬にやられちゃうかも』と思い、レース中も気をつけるようにしました」アデイブとの活躍は、これにとどまりませんでした。同じ年の末尾には英チャンピオンS(G1)を、更に翌エリザベスS(G1)の連覇を達成しました。 「とくに2度目のクイーンエリザベスSは印象的でした。前の年は道悪など、アデイブにとっては好条件が揃っていました。でも2年目は直前のランヴェットSで負けてしまい、クイーンエリザベスSは大雨でレース自体が1度キャンセルになってしまい、1週後に改めて行われました。すると、この時は晴天でパンパンの良馬場。そんなベリーエレガントが有利だと思われた中で、勝つことができました。信じられない気持ちだったし、感動しました」徐々に大レースでも存在感を示し出すと、同年9月、ジョセフ・オブライエン厩舎のガリレオクロームでセントレジャー(G1)を制覇。これが自身初のクラシックレース優勝となりました。 「あの時は、色々と幸運が重なりました。まず本来、他に乗る予定の馬がいたのですが、その馬がフランスへ行くことになりました。そのような中で、ガリレオクロームに騎乗する予定だった騎手がコロナ騒動で来られなくなり、自分にお鉢が回ってきました。だから、正式に騎乗が決まったのは、レー2321年は再びオーストラリアでクイーンホリー・ドイル騎手とトム・マーカンド Tom Marquand 1998年3月30日生まれ、現在24歳。イギリス、ニューベリー出身。 2014年11月にはリチャード・ハノン厩舎から騎手デビュー。12月に初勝利。翌15年には67勝、更に翌16年にはオーディスイズアスでグレートウッドSを勝利し、自身初のステークス勝ちをマーク。17年には、同馬で準重賞も勝利。更に同年、アンナネリウムでタイレスディックプールフィリーズS(G3)を優勝。初重賞勝利を飾る。18年には105勝をして、自身初の年間100勝を突破。以降、毎年、勝利数を三桁に乗せ、22年は126勝を挙げ、イギリスリーディングでは2位(91勝)の成績を残す。 大舞台での活躍も近年、枚挙に暇がなく、20年アデイブとのタッグでは、オーストラリアのランヴェットS(G1)を優勝したのを皮切りに、同国のクイーンエリザベスS(G1)、イギリスのチャンピオンS(G1)、更に翌21年はオーストラリアのクイーンエリザベスS(G1)連覇を達成。他にもガリレオクロームでのセントレジャー(G1)、スターマンでジュライC(G1)、アレンカーでタタソールズゴールドC(G1)、シーラローザでロワイヤリュー賞(G1)、ベイサイドボーイでクイーンエリザベス2世S(G1)などを優勝。 22年秋にはホリー・ドイル騎手と共に初めてJRAでの短期免許を取得して、日本で騎乗した。(12月19日現在、123戦15勝)──────

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