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2022年秋、短期免許で初来日を果たしたトム・マーカンド騎手。ホリー・ドイル騎手と夫婦での参戦を果たした彼に、今回は話を伺った。平松さとし(以下手は1998年3月、英国ニューベリー生まれで現在24歳。競馬とは無縁の家庭で育ったのですよね?マーカンド騎手(以下「」のみ)「はい。両親は会社員と宝石商で、姉が1人いる一般的な家庭でした。ただ、育ったのがチェルトナムという障害レースで有名な場所だったので、小さい頃から競馬に興味を持ちました」小さい頃から、馬に乗られていたのですよね? 「2、3歳でポニーに乗り、4、5歳の頃には騎手になりたいと考えるようになりました。その後、ティーンエージャーでポニーレースに乗るようになりました。ホリーと出会ったのも、その頃。16歳で競馬学校に入りました」競馬学校はニューマーケットにあるのですよね? 「はい。そのために家を出ました。ポニー競馬の経験があったので、1カ月のコースで大丈夫でした」2014年11月にリチャード・ハノン厩舎から騎手デビュー。翌12月に、ヒアフォーグッドという馬に騎乗して、初勝利を挙げました。 「全てうまくいって勝つことができました。競馬とは無縁の家庭出身だったので、期待感は薄かっただろうと思うけど、両親がすごく喜んでくれまし)マーカンド騎た。苦労をかけてきたので、その姿を見て嬉しく思ったし、僕自身も興奮して、もっと勝ちたいと強く思いました」年も押し迫ってからのデビューだったため、初年度はこの1勝のみに終わりました。しかし、翌15年には67勝。後にリーディングを争うほどの騎手となる兆しを、早くも見せましたね? 「リチャード・ハノン調教師の存在が、大きかったです。彼の助けがあって、沢山勝たせてもらいました。ただ、自分としては経験も浅いし、満足することはありませんでした」更に翌16年には、オーディスイズアスでグッドウッド競馬場のグレートウッドSを勝利。自身初のステークス勝利を記録すると、翌17年には同じ馬で準重賞も優勝しました。 「僕が最初に出会った素晴らしい馬でした。まだ見習い時代だったけどドバイでも勝たせてもらい、毎年1回は勝たせてもらいました。思い出に残るファンタスティックホースです」同じ17年には、アンナネリウムでタイレスディックプールフィリーズS(G3)を優勝。14年暮れの騎手デビューから丸3年と経たぬうちに、初の重賞制覇を記録しました。ちなみにこの時、この馬は全く人気がなかったのですが、その後もタッグで重賞を2勝しましたね? 「彼女も思い出深い1頭です。クラシック競走に初騎乗させてもらえるなど、大レースにも乗せてもらいました。確かに最初は人気薄だったけど、実力January 2023 vol.25222────── ─ヴァーンフリート 11月13日東京 3歳上1勝クラス(1着)Text: 平松 さとし─Jockey's File─Interview with Tom Marquand

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