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日本では初めてとなる当歳馬と繁殖牝馬による「ノーザンファームミックスセール2022」(主催・㈱ノーザンホースパーク)が10月25日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われた。2019年にスタートした「ノーザンファーム繁殖牝馬セール」を拡大させたもので、この日は当歳、繁殖牝馬あわせて105頭(当歳馬38頭、繁殖牝馬67頭=未供用馬24頭含む)が上場され、99頭(当歳馬38頭、繁殖牝馬61頭=未供用馬21頭含む)が落札。総額た。セール終了後のインタビューで同ファームの吉田俊介副代表は「結果には大変満足していますし、購買者の皆様に感謝しています」と熱い1日を総括。今回は、そんなミックスセールの1日をレポートしたい。同じノーザンホースパークを舞台に、第1回セレクトセールが開催されたのが1998年。現在のスタイルとは若干の違いがあるものの、購買者の目線よりも高い位置に設けられたステージや、購買者が鑑定台に向かって同じ方向を向く、いわゆる劇場型に設置された購買者席、それから何よりも驚くべき金額でせり上がる馬たち。そのすべてが新鮮で斬新だった。183頭が上場された当歳セッションの売却率は71・6%で、平均価格は3500万円弱。今となっては誤植を疑われそうな数字ではあるが、当時、その数字は夢か、幻か。遠い世界のようなものとして伝えられた。あれから25年が経過し、新しい市場スタイルが、このノーザンホースパークから生まれようとしている。この日、会場となったノーザンホースパークは新型コロナウイルス対策として、事前に配布された「入場証」がなければ入場を許されず、また会場入口には検温所も設けられていた。いわゆる、貸し切り状態だ。第7波の大きな山は越えたとはいえ、この日発表された北海道内の感染者数は5574人。1週間当たりの感染者数も前の週、前々週を上回っており、できる限りの感染症対策を講じての開催となっていた。午前9時30分に受付が開始され、展示は午前10時にスタート。その展示場所は「当歳馬」「受胎繁殖牝馬」「未供用繁殖牝馬」と分かれており、防疫対策にも十分な配慮がされていた。馬術競技用の馬場2面と、同パーク内の厩舎前馬見せ場1面。それらを目いっぱいに使い、1頭々々の距離を十分に確保しながら行われていた。その会場内には多くの購買者、購買者代理人などが足を運んでいたが、中でも印象的だったのが当歳馬の展示会場に、多くの生産者の姿が見られたこと。話を聞くと「この時期(10月下旬)の当歳馬は離乳直後であり、ストレスによって馬体のバランスが崩れることが多い。ノーザンファームの管理を勉強したかった」と、少し照れたように話してくれた。なるほど、意欲ある生産者は、December 2022 vol.25112       28億4900万円(税別)を売り上げText: 山田 康文産声上げた新時代セール開催ノーザンファームミックスセール2022

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