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オーナーランキング(賞金順)でトップとなったうえ、ベスト3圏内には10年から21年までの12年連続で食い込んでいるキャロットファーム。日本競馬界を代表する馬主として、すっかりおなじみの存在となりました。当事者であるクラブ会員の皆様はもちろん、将来のスターホースをいち早く発見したいと考えている一般の競馬ファンからも、22年度募集馬のラインナップに熱い視線が注がれているところです。今回は、キャロットクラブで募集された現12歳(10年生まれ)から現3歳(19年生まれ)までの計10世代をサンプルとして、さまざまな角度からファクターごとの傾向を分析していきたいと思います。集計対象としたのは、募集が取り下げられた馬や地方入厩予定として募集された馬を除く、全828頭。「1勝以上率」はJRAのレース「2勝以上率」はJRAのレースで2勝以上をマークした馬の割合、「3勝以上率」はJRAのレースで3勝以上をマークした馬の割合としました。なお、記録はいずれも22年7月10日終了時点です。で1勝以上をマークした馬の割合、まずは、思いのほか差がつかなかったファクターの一例として、生月別成績をご覧いただきましょう【グラフ1】。該当馬が4頭しかいなかった6月生まれを除くと、1勝以上率はすべて競走生活の序盤は成長の度合いがレース結果に影響しがちですし、生月の早さが大きなアドバンテージとなりそうなもの。しかし、少なくともキャロットクラブの募集馬に関して言えば、生月と勝ち上がりやすさの間に相関はないと言って良さそうです。5月生まれの2勝以上率や3勝以上率がやや高いことを考えると、むしろ遅めの時期に生まれた馬の方が狙い目なのかもしれませんね。19年にコーフィールドCを制したメールドグラースも、生月日は5月26日でした。逆に、概ねイメージ通りの傾向が出ていたのは、性別成績【グラフ2】。後にセン馬となった馬を含む牡馬の1勝以上率が58%だったのに対し、牝馬は47%にとどまっています。2勝以上率や3勝以上率を比べてみても、牡馬及びセン馬の数字は牝馬の約1・5倍。キャロットクラブの募集馬に限った話ではないものの、牡牝の間にこれくらいの差があるという事実はしっかり認識しておくべきでしょう。もちろん、牡馬と牝馬では募集価格や募集時の人気も変わってきますから、単純に「牡馬の方がお得」ということはありません。リスクやリターンの見積もりに活用する目安のひとつとして、頭の片隅に入れておいてください。個人的に興味深い結果となったのは、誕生時の母馬齢別成績です【グラフ3】。6〜9歳、10〜13歳、14〜17歳の1勝以上率がそれぞれ50%を超えていたのに対し、5歳以下は19%、18歳以上も頭数は40頭未満で、サンプル不足によるところも大きいかと思いますが、極端に若い馬や極端な高齢馬の産駒は扱いに注意するべきだと思います。逆に、1勝以上率がもっとも高かっ441月2月3月4月5月6月0205010■3勝以上率 ■2勝以上率 ■1勝以上率4030        牝014年と16年にJRAリーディング(%)60牡・セン201060■3勝以上率 ■2勝以上率 ■1勝以上率30405070(%)September 2022 vol.24824%どまりでした。どちらも該当馬の51〜53%の範囲内に収まっています。【グラフ1】生月別成績【グラフ2】性別成績─CARROT CLUB YEARLINGS 2022─List of the horses selection & Review of Stallionsキャロットクラブ ウルトラ活躍率伊吹雅也&競馬王編集部キャロットクラブ会報誌限定List of the horses selection

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