ECLIPSE_202209_39-52
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ディーパワンサの21(牡)は祖母ポロンナルワがグローリアスソング2×3という攻めた牝馬クロス馬で、本馬の母やガルヴィハーラ(父ゴールドアリュール、全日本2歳優駿3着)、アヌラーダプラ(父キングカメハメハ、UHB賞)などの素質馬を送っています。ポロンナルワの成功パターンはヌレイエフを持つのがポイントで、前述の3頭は全て保有。このドゥラメンテ産駒もこのクロスを5×6で継続しています。キングカメハメハとの相性もアヌラーダプラで証明済みなので、信頼度の高い配合と言えるでしょう。ヴィータアレグリアの21(牡)。母の父ネオユニヴァースと父系曽祖父マキアヴェリアンはニックスで、このパターンからはヴィクトワールピサ、ロジユニヴァースと2頭のクラシックホースが登場しており、本馬はそれを逆にしたような配合となります。父系祖父でドバイワールドCの勝ち馬ストリートクライとネオユニヴァースははとこ同士で、ブールバール5×5の牝馬クロスが発生しているのもポイント。同じくストリートクライを父系祖父に持つファッショニスタや、同じく母の父にネオユニヴァースを持つルヴァンスレーヴなどと同様、ダートのマイル〜中距離が活躍の場となりそうです。ヴァルグラン、ヴィルシーナ、ヴィブロスのG1・3きょうだいのいとこ。ラーイとモーンオブソング4×3の全兄妹クロスがあるのが大きな特徴で、母の父ディープブリランテの代表産駒キャット系のハーランズホリデーであり、同馬を逆にしたような配合でもあります。父ブリックスアンドモルタルは瞬発力を武器に、米芝G1を5勝。日本競馬への適性の高さが期待できそうで、本馬は芝のマイル〜中距離が活躍の場になるでしょう。        ナ、母の父シンボリクリスエスで、アカイイト(エリザベス女王杯)、ソングライン(安田記念)のキズナ産駒のG1牝馬2頭と同配合。ソングラインのはとこにあたる血統で、祖母の父がアグネスタキオンからアドマイヤベガに変わった形。サンデーサイレンス3となっています。父の産駒のサンデーサイレンス3×4にはファインルージュ(祖母の父ダンスインザダーク)などもおり、父の成功要素豊富な配合馬です。ソングラインと同じイメージで良いでしょう。ラプソディーアの21(メス)はシュの1頭モズベッロは母の父がストームロスヴァイセの21(メス)は父キズ×4は変わらず、非常に似た血統構成オーマイベイビーの21(牡)父のブリックスアンドモルタルは5歳時の2019年、BCターフなどG1・5勝を含む6戦全勝の完璧な戦績でエクリプス賞年度代表馬に選出され、翌20年から社台スタリオンステーションで種牡馬入りしました。同SSに米年度代表馬が導入されたのはサンデーサイレンス以来。現役中に種牡馬としての所有権を青田買いした吉田照哉氏には相当な成算があるのでしょう。ブリックスアンドモルタルの父ジャイアンツコーズウェイは、ストームキャット後継きってのターフサイアーとして大成功を収めました。初年度産駒から皐月賞馬ジオグリフを出したドレフォンも3代父がストームキャット。社台SSのストームキャット系推しの背景にあるのはおそらく、母の父としてのストームキャットが示したディープインパクトとの好相性。当代随一のG1ニックスの効力は、血統表の天地を逆転させても変わりないはずです。本馬はグレード2勝のステラヴェローチェ(父バゴ)の半弟。「母の父ディープインパクト」と父の和合性を実証する、最初のサンプルとなりそうです。ちなみに、母オーマイベイビーの半兄である07年朝日杯フューチュリティSの覇者ゴスホークケンは、ストームキャット後継バーンスタインの産駒でした。牝系ぐるみで、ストームキャット血脈の受け入れ態勢は万全といえます。ブリトマルティスの21(牡)マルシュロレーヌのBCディスタフ制覇によって、父のオルフェーヴルは種牡馬としても歴史的な存在であることをアピールしました。本馬は一時評価を落とした父が、前年の3倍以上となる165頭の交配牝馬を集めた第7世代。サンデーサイレンス3×3の近交は、マルシュロレーヌの後釜といえるダートの現役最強牝馬ショウナンナデシコで成果を上げていますが、祖母の父メジロライアンと父の母の父メジロマックイーンを経由して生じた、名繁殖シェリルの5×5も見逃せません。規格外の爆発力が潜む、技巧的な配合です。コルコバードの21(牡)母のコルコバードはステイゴールド産駒らしいスタミナ型で、4〜5歳時に3連勝でオープンに駆け上がりました。母の半妹リカビトスも、デビュー3連勝で秋華賞に挑んだ天才肌。祖母エンシェントヒルはダートのオープン特別4勝、3代母アズテックヒルは北米グレード3勝と、非常に確実性の高い牝系です。ルーラーシップ×ステイゴールドというピーキーな配合の可能性が最大限に引き出される、と見ました。●平出貴昭●藤井正弘49

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