ECLIPSE_202209_39-52
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の種牡馬を管理する機会が多く、アルアインとシュヴァルグランもお話をい2019年の有馬記念(勝ち馬はキャロットクラブのリスグラシュー!!)は、スタリオン場長と一緒に中山競馬場へ観戦に行きました。実馬を間近に見て馬体の良さを改めて実感したことを、今でも鮮明に思い出します。月賞優勝、5歳時には大阪杯を勝利と、引退までセンスの良さと先行力を武器に一線級の活躍を続けました。早熟傾向に見えるディープインパクトの牡馬の中で、能力を目減りさせることなくポテンシャルを高く保ったまま走り続けた身体の頑強さとその精神力は、産駒に大きなアドバンテージとして伝わると思います。本馬の母ドバイマジェスティはBCフィリー&メアスプリント‐G1を始め通算12勝を挙げ、米国牝馬チャンピオンスプリンターに輝いた女傑でした。この母から受け継いだタフネスがディープインパクトと出会い結実したのがまさしくアルアインであり、全弟シャフリヤールもサクセスロードを歩んでいます。現在は580キロと大きくなって、骨格のしっかりした筋肉の付きの良い好馬体の産駒が続々と誕生しています。ご縁があってノーザンファーム生産ただき、ともに最終戦となったアルアインは新馬から5戦4勝で皐現役時520キロ前後だった馬体も種牡馬入りして3シーズン、毎年100頭強の良質な繁殖牝馬と交配できており、成功の下地は十分あると思います。募集馬ヴィアンローズの21(牡)も父譲りの好馬体でリーズナブルな価格帯でしょうから、コスパの良い1頭として楽しませてくれるのではないでしょうか。シュヴァルグランは、アルアインと比べやや小ぶりな馬体(現役時470キロ前後。現在は550キロ)ではありますが、筋肉の詰まった馬体とすっきりした脚元が際立った種牡馬です。現役時、友道調教師に「まったく獣医にかかったことがない」と言わしめた健康体で、現実に当スタリオンにおいてもほとんど獣医師の世話になっていません。これが2歳から7歳までタフに33戦した競走成績にも表れており、ジャパンカップ、阪神大賞典、アルゼンチン共和国杯に勝利し、ドバイシーマクラシック‐G12着と国内外を問わない活躍につながっています。2400m以上を得意とした典型的なステイヤーですから、産駒はデビュー当初は勝ち味に遅いところがあるかもしれませんが、軌道に乗れば長くタフに適距離で活躍し続けることでしょう。募集馬エンプレスティアラの21(牡)ですが、母馬は種牡馬の特徴を忠実に産駒に伝えるタイプのようで、上記に述べた種牡馬シュヴァルグランの可能性を遺伝子に注入している確率は高そうです。(遠藤幹)ブリーダーズ・スタリオン・ステーション繋養─アルアイン シュヴァルグラン─39     ─CARROT CLUB YEARLINGS 2022─List of the horses selection & Review of Stallions

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