オロとスワーヴリチャード。種牡馬としても同期デビューとなり、産駒の対決にも注目です。ともに芝2400mと芝2000mのG1に勝った両者ではありますが、それぞれの特徴について考えます。見ると、「三冠」という言葉を用いて説明できる馬たちの血に支えられています。三冠牝馬の父や祖父、そして母父でもある父キングカメハメハに始まり、三冠牝馬の祖父シンボリクリスエス、無敗の三冠馬に輝いたシアトルスルー、同じく無敗の三冠馬ディープインパクトの母ウインドインハーヘア、そして、ノーザンダンサー。近い代からこれほど三冠に関わった馬たちが並ぶ血統表は見かけませんし、当然、レイデオロ産駒の三冠制覇には大きな期待がかかります。しかし、馬体や普段の動きを見ていると、芝クラシック戦に特化しているだけとも思えません。手先の軽さは感じさせつつも、掻き込みの強いパワフルな走法、そして、大きくて力強い全身の筋肉からは、父や母父と同様、芝・ダート不問の活躍にも期待してしまいます。現1歳世代からダート三冠路線が新設されましたのダービーでしのぎを削った、レイデまずは、レイデオロ。5代血統表をで、芝・ダート両方で三冠馬を送るということも十分あり得るでしょう。マリアライトの21、ギーニョの21などは当たり前に考えれば芝の王道でしょうが、どちらもダート路線のトップランナーも生んだ牝系ですから、何が起きても驚いてはいけません。続いて、スワーヴリチャード。こちらも、産駒には芝クラシック路線のド真ん中を進んでもらいたいものですが、この馬も多彩な才能を秘めているはずです。父ハーツクライ以上にパワフルな筋肉を有し、動きの緩慢さが少ないこと、さらにはその血統構成から、マイル適性は父以上であると考えられますし、ダート適性も父以上であると私は考えます。そして、7月に行われたジャパンダートダービーの勝ち馬が、本馬と同じく父ハーツクライ×母父アンブライドルズソングという配合であることにも注目です。チャレンジはしていませんが、スワーヴリチャード自身にも同じような適性があったかもしれないことは全く否定できませんし、この血にさらにダート色の強い繁殖牝馬を重ねることもできるわけですから、レイデオロ同様、芝・ダート両方の三冠を狙える種牡馬になり得るだろうと考えています。特にジンジャーパンチの21はどんな競走馬に育つのか、今から楽しみでなりません。(三輪圭祐) 社台スタリオンステーション繋養―レイデオロ スワーヴリチャード―September 2022 vol.24840©Coolmoreブリックスアンドモルタル 2019年BCターフノーネイネヴァーマインドユアビスケッツ 2016年BCスプリント(左・右は優勝馬ドレフォン)ニューイヤーズデイ 2013年BCジュヴェナイル─CARROT CLUB YEARLINGS 2022─List of the horses selection & Review of Stallions
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