ECLIPSE_202208_9-13
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競馬サークルにもっと貢献したいを作ってくれるので助かっています」 「馬に負担がかからないから痛めにくいし、疲れが溜まりにくい。走りに関しても馬の肩が出やすくなり、可動域が広がる印象です。調教は毎日行いますから、この積み重ねは大きいです」を反映して完成した調教用アブミ革についても、岡崎調教主任に聞きました。 「すべりが良いので、乗っている際に調節がしやすいです。以前の本革の時は長く使うと革が伸びることがあったのですが、今の物は人工皮革だから、形状が変化しない。しっかりホールドしてくれるので、より安心です」具の発注を担当していた総務の天野俊亮さんからこんな話も聞きました。 「手入れがしやすくなって、切れるリスクが減り、ヒヤリハット(事故未遂)が少なくなりました。怪我リスクの減少につながり、より良い調教ができるようになったと感じています」教鞍のほか、乗馬鞍も製作。競馬と乗馬の両方の馬具を手掛けるメーカーは、世界的に見ても少ないそうです。員や職人さんたちと一緒に競馬場へ行って、実際に競馬を見る機会がある馬にとってもメリットがあります。ノーザンファーム天栄の騎乗者の声調教用アブミ革に関しては以前、馬現在、ソメスサドルはレース鞍と調染谷会長は時々、ソメスサドルの社とのこと。そこで目が行くのは、やはり馬具で「どのような形で製品が使われているのか、実際に見る機会は必要ですからね」と、お話されていました。最後に、染谷会長にソメスサドルが目指す今後の馬具づくりを伺いました。 「安全性を第一にした馬具づくりを心掛けるのはもちろんですが、これからはSDGsを意識し、新素材を利用した製品を作っていくこともメーカーとしての努めだと思っております。馬具無くして馬には乗れませんし、レースも成立しません。今後も世界に認められる馬具を生産し、競馬を下支えする側として、競馬サークルにもっと貢献していきたいと強く思っています」今回、様々なお話を伺ったのをきっかけに、パドックで周回する馬の背に載っている鞍や、調教で使用されている鞍やアブミ革など、今まではあまり目がいかなかった馬具にも目が行くようになりました。よく見ていると、青色のレース鞍を使う騎手もいて、そんな発見も新鮮です。また、ソメスサドルの鞄や革小物は本当に素敵ですから、機会があれば砂川ファクトリー&ショールームにも行ってみたいです(写真⑭)。そして改めて、ソメスサドルの匠の技や馬具が日本の競馬を支えてくださっていたのだなと実感しました。今後は、日本の騎手がソメスサドルの鞍に乗り、日本馬が凱旋門賞を勝つシーンをぜひ、見たいと思います。写真⑬ Dタイプ。あおりが円形に近い形状となっているWriter profile 小島 友実 Tomomi Kojima競馬キャスター&ライター。ラジオNIKKEI「中央競馬実況中継」に出演中。「週刊競馬ブック」や「JRA-VANスマホアプリ」にて連載を持つ。ライフワークは馬場取材で、2015年「馬場のすべて教えます(主婦の友社)」を出版。JRAの競馬場の他、最近は地方競馬場の馬場取材も行っている。13     写真⑫ Sタイプ。馬に装着すると、あおりの形がそり上がっているのがわかる  写真⑭ 砂川ファクトリーの放牧地で余生を過ごすアッシュゴールド

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