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匠の技北海道砂川市に本社を構えるソメスサドルは日本で唯一の馬具メーカー。馬に関わる人なら、一度は同社のロゴを見たことがあるのではないでしょうか。キャロットクラブではエフフォーリアの出資会員様に有馬記念優勝記念品として、ソメスサドル特製馬名入りキーホルダーを作成(写真①)。また実は、多くの騎手や厩舎関係者がソメスサドルの馬具を使用しており、私たち競馬ファンは普段から何気なくレースで目にするなど、身近な存在なのです。創業は1964年。その歴史を、ソメスサドル東京支社営業部の松本恒典課長に教えていただきました。 「ソメスサドルがスタートした北海道歌志内市は、かつて炭鉱で栄えた町でした。しかし1960年代になると次々と閉山。土地柄、北海道には馬具職人が点在していたんです。そこで地方再生を図るため、職人や地元の炭鉱離職者を集めて始まったのが、ソメスサドルの前身となるオリエントレザーです。当初は北米に向けての馬具の輸出がメイン。しかし1973年のオイルショックがきっかけに輸出が厳しくなり、国内での馬具の販売へと切り替え、本格的に乗馬用の鞍の開発を開始。徐々にマーケットの広い革製品の製作も手掛けるようになりました(写真②)」そして、1985年には社名がソメ    9 スサドルに変更されました。 「フランス語でSOMMET(頂点)+SADDLE(鞍)を掛け合わせています。鞍は革製品の極致。最高の鞍という意味が込められています」1989年には今上天皇即位の大礼に伴い、馬車具一式を納入(写真③)。2008年に行われた北海道洞爺湖サミットにて各国首脳に贈る記念品を製造するなど、革製品の総合ブランドとして確固たる地位を築いてきました。馬具を作る上で大切にしているポリシーを伺いました。写真① ソメスサドル特製 エフフォーリア有馬記念優勝馬名入りキーホルダーText: 小島 友実ホースマンを支えるソメスサドルの馬具と技術

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