てくれた。ヴィクトリアマイルはゲートのタイミングが合わず、うまく流れに乗れなかったのが残念。その後は思うような結果を出してあげられなかったけど、無事に繁殖牝馬として牧場に戻し、優秀な血をつなぐことも調教師の大事な役目です。実際、お母さんとしてレイデオロを生んでくれたわけだしね。よかったです」その初仔がティソーナ。3歳の春にはマーガレットSを勝ち、NHKマイルC(17着)に駒を進めた。そして父キングカメハメハとの間に生まれた2番仔が、レイデオロだ。開業30年目(2017年)の春、多くのファンが待ち望んだ日本ダービーの初制覇。延べ19頭目の挑戦で、『ダービートレーナー』の称号を手にした。 「レイデオロは2歳の春に入厩させることができたほど健康体だったし、その当時から走るのが大好きだった。最初の頃の調教でも、ゴール板を過ぎてからのほうが速いんじゃないかと思ったぐらい。ずっと走り回っていたのを覚えています。レース前の返し馬でも、ゴールしてからも、喜んで走っていたからね。ダービーはペースが遅かったけど、それを見越したクリストフ(ルメール騎手)が途中から動いていった。『ずいぶんと大胆なことをやるな』と思いましたよ。結果的には大正解。(ダービーを)勝つまでに想像以上の時間がかかったけど、よかったです。秋の天皇賞も強い競馬で勝ってくれた。ダービー馬にはダービー馬に相応しい競走生活を送らせてあげたい。そんな思いで接してきたけど、ずっとトップクラスで走り続けてくれました。大きな怪我をすることもなく、種牡馬として無事に牧場へと送り出せたのは何よりです」夏にデビュー勝ちを決めた。しかし、レース後に骨折が判明。翌春のクラシックシーズンには間に合わなかっ た。復帰後は連勝し、セントライト記念でも2着と実力をアピール。4歳時にはエプソムCで重賞制覇を飾っている。 「この血統だし、順調ならダービーを使いたかった。ちょっと夢中になって走りたがる面があったし、距離をマイルにしてみたり、チークピーシーズやブリンカーに去勢など、色々と試してきたけどね。思うような結果にならないところには、歯がゆさもありました」ドラード、アブソルティスモ、アルマドラードと6頭とも勝ち上がっている。 「それぞれ、怪我や蹄の不安などで思うようにいかないこともあったけどね。大事に使ってきたし、まだ現役の馬たちには何とか頑張ってもらいたい。そう思っています」いるという。母レディブロンドの3番仔、ゴルトブリッツだ。藤沢和雄厩舎から3歳の3月にデビュー。芝で6戦 3番仔の全弟、レイエンダは2歳のその他にも母ラドラーダの仔はソル一方、「あの馬」には悔いが残ってMarch 2022 vol.24226主なキャロットクラブ管理馬一覧父名No.性別生年馬名 1プラテアードせん2004Silver Deputy 2ストームホイッスルメス2004ブライアンズタイムラークホイッスル 3ジャングルビジット牡2005ジャングルポケットレディブロンド 4ラドラーダメス2006シンボリクリスエスレディブロンド 5シーズンズベストメス2007ゼンノロブロイ 6ゴルトブリッツ牡2007スペシャルウィークレディブロンド 7アフロディーテメス2008アグネスタキオン 8ホーカーテンペストせん2009Hawk Wing 9アンレールメス2010ディープインパクトフレンチバレリーナ3-1-4-1410バウンスシャッセメス2011ゼンノロブロイ11アヴニールマルシェせん2012ディープインパクトヴィートマルシェ12ティソーナせん2013ダイワメジャー13ムーンクエイクせん2013アドマイヤムーン14レイデオロ牡2014キングカメハメハ15グランデセーヌメス2014ゼンノロブロイ16レイエンダせん2015キングカメハメハ17フラットレーせん2015ハーツクライ18ソルドラードせん2016ロードカナロア19コントラチェックメス2016ディープインパクトリッチダンサー20アブソルティスモ牡2017ダイワメジャー21サンクテュエールメス2017ディープインパクトヒルダズパッション2-1-1-722アークライト牡2018ディープインパクトヒストリックスター0-4-1-323アルマドラード牡2018キングカメハメハ24フィアレスデザイア牡2019ディープインパクトヒルダズパッション0-0-0-0母名着順(1着-2着-3着-以降)ササファイヤー5-2-4-170-0-0-20-0-0-04-5-0-9シーズアン3-3-5-30-1-2-4 ※レディブロンド1-0-0-3リッチダンサー8-4-2-31リッチダンサー5-0-1-102-4-1-11ラドラーダ4-4-2-14リッチダンサー6-3-2-12ラドラーダ7-2-1-7リッチダンサー0-0-0-2ラドラーダ4-2-1-14リッチダンサー1-1-2-11 ※ラドラーダ3-3-3-25-2-1-10ラドラーダ2-2-1-6ラドラーダ1-1-1-3※上記は藤沢厩舎での戦績藤沢和雄調教師─名伯楽と共に歩んだキャロットクラブ所属馬たち─
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