117募集馬の手術歴等について会員の皆様に募集馬の育成時の健康状態を詳しくお知らせすべく、日本競走馬協会主催のセレクトセールにおける公表事項である下記(1)〜(8)の項目にならい、募集馬の出資募集開始前の手術歴等について、下表のとおりご案内させていただきます。なお、該当する募集馬につきましても、厳しいチェックのうえ、募集馬リストに名を連ねているものであり、順調に育成されていることを申し添えます。また、出資募集終了までの期間中に新たな該当事項が確認された場合は、順次公表いたします。(1)悪癖(さく癖、旋回癖、熊癖)(2)目の異常(白内障、黒内障、緑内障)、月盲(3)上気道疾患に対する外科手術歴(4)開腹手術歴(5)骨折に起因する外科手術歴(6)関節内骨関節疾患に対する外科手術歴(7)腱及び靭帯(支持靭帯)の切断もしくは切除手術歴(8)去勢上歯を馬栓棒や壁板などにあてて支点にし、頸に力を入れ、空気を飲み込む癖のことです。退屈あるいは他馬のまねが原因であり、消化管に多量の空気を飲み込むことから風気疝(腹部の疼痛を伴う疾病である疝痛の一種)へつながる場合もあります。さく癖馬房の中でぐるぐると回る癖で、馬の行動異常の中でも常同行動と呼ばれるものの1つです。常同行動というのは、一定の動作が繰り返し行われますが、目的や意味がはっきりとしないため、制御したり矯正することが難しいとされています。ただ、旋回癖は特別な疾患に結びつくような癖ではありません。旋回癖離断性骨軟骨症(Osteochondritis Dissecans)のことで、主に2歳以下の若駒に起こりやすく、関節(主に飛節、球節、後膝、肩)の軟骨から軟骨片が剥離し、炎症、関節液が増えることで関節の腫脹が起きる症状です。関節鏡手術による軟骨片摘出、増量した関節液を抜いた後にヒアルロン酸を注入するなどで予後は良好で、早い段階で処置をすれば、術後も競走能力に影響を及ぼさないとされています。OCD免疫力が低い若齢期に起こる関節内の細菌性感染のことで、関節液の増量と跛行の症状が見られます。細菌が入った関節内をきれいにするため、関節内をよく洗い抗生物質を注入する治療が実施されます。これによりスムーズに回復し、短期間で放牧を再開することができます。治療により回復した馬は後遺症を見せることもなく、また競走能力に影響をおよぼすことがないとされています。関節炎(関節洗浄)[用語説明]310112227333745465258637790No.募集馬名悪癖手術歴(実施日:年/月/日)シングルゲイズの24キラーグレイシスの24ラサルダンの24ターシャズスターの24ローズノーブルの24レーヴディソールの24ライジングクロスの24ムーングロウの24マラクージャの24ダイアナブライトの24ヤングスターの24シャルールの24エールデュレーヴの24ミクロコスモスの24旋回癖さく癖左飛節OCD除去手術(2025/5/19)左飛節感染性関節炎により関節洗浄(2024/4/9および2024/4/18)、右飛節OCD除去手術(2025/1/8)右飛節OCD除去手術(2025/1/30)左後膝感染性関節炎により関節洗浄(2024/11/3)右後第1趾骨骨折により骨片除去手術(2025/1/10)両後膝OCD除去手術(2024/11/25)左腕節感染性関節炎により関節洗浄(2024/2/7)、右後膝感染性関節炎により関節洗浄(2024/7/22)、両飛節OCD除去手術(2025/2/28)右飛節OCD除去手術(2025/1/27)左飛節OCD除去手術(2025/1/9)左後肢球節感染性関節炎により関節洗浄(2024/6/29)、左後肢球節骨折により骨片除去手術(2025/7/18)、右後肢球節OCD除去手術(2025/7/18)左後膝OCD除去手術(2024/11/15)右飛節OCD除去手術(2025/5/12)(2025年7月28日現在)
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