7月14日と15日にノーザンホースパークで開催されたセレクトセール2025は、2日間で上場馬467頭のうち453頭が落札。落札総額327億円(税別、以下同)は5年連続のセールレコード更新となった。落札率は97・0%、平均価格の約7219万円も過去最高で、1億円以上で落札された頭数も過去最多となる86頭(1歳馬42頭、当歳馬44頭)と、空前の盛況となった。セール前、今回は2日間の落札総額が史上初めて300億円を超えるかどうかが、外野としては非常に気になっていたが、主取り馬がわずか2頭という初日の驚異的な売れ行きで、それは確信に変わった。果たして、翌日の当歳市場も活発な取引が相次ぎ、大台をあっさりとクリアした。高額取引馬や購買者あるいはスタッツを含めたセール結果については、すでに様々なメディアで報じられている。ここでは血統的な観点から、セレクトセール2025を振り返っていきたい。セール開催前、衆目が一致する目玉は2023年の世界チャンピオン・イクイノックスの初産駒だった。そのイクイノックスの当歳は、1頭の欠場があったものの24頭が上場され23頭が落札。2日間を通じ、最高価格5億8000万円(セール史上3位タイ)を記録したのが、上場番号344「ミッドナイトビズーの2025」だった。母ミッドナイトビズーはコティリオンS、アップルブラッサムHなど米牝馬G1を5勝した2019年の米古牝馬チャンピオンで、第1回サウジCの覇者(2着入線から繰り上がり)でもある。同馬は3年前のキーンランド・ノベンバーセールで吉田勝已氏が550万ドル(約8億2500万円)で購入。タピットを受胎して日本に輸入され、今年誕生したイクイノックスの牡馬は米国に残した産駒を含め4番仔となる。ミッドナイトビズーの父は、BCスプリントを連覇したファピアノ系ミッドナイトルート。今後も社台スタリオンステーション繋養のトップ種牡馬との配合が予想される。このミッドナイトビズー母仔は、オーラを感じさせる佇まいで、朝の一斉展示でもひと際大きな注目を集めていた。種牡馬別で各部門の落札額ベスト3を振り返ると、次のようになる。初日1歳馬部門は1位キタサンブラック(11頭落札で総額24億8000万円)、2位コントレイル(で10億9100万円)。2日目の当歳部門は1位イクイノックス(23頭で35億6500万円)、2位キタサンブラック(ル(17頭で15億5500万円)である。すなわち、今年のセレクトセールの血統面での主役はウインドインハーヘアを母に持つ、ブラックタイドとディープインパクト兄弟だったというAugust 2025 vol.28314速 報 R e p o r t上場№35ジョイネヴァーランドの2024上場№170デスティノアーラの2024場№164ンブレマータの2024場№204リーナドンナの2024©Japan Racing Horse Association©Japan Racing Horse Association©Japan Racing Horse Association©Japan Racing Horse Association18億6600万円)、3位コントレイ11頭で 15億6400万円)、3位キズナ(9頭11頭でTex t: 辻 一郎─セレクトセール2025を血統で総括─ディープインパクト系とブラックタイド系が席巻
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