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キャロットクラブ会員の皆さま、こんにちは!一口馬主DB編集部です。本年も会報誌特集記事にて特別に、キャロットクラブの出資検討におけるヒントを、データで探っていきたいと思います。今回は「最近の募集価格の変化と意外な大物の狙い目」をテーマにお届けします。キャロットクラブに限った話ではありませんが、馬産地における市場価格上昇の影響などもあり、昨今、クラブ馬の募集価格は上昇傾向にあります。このグラフでは、キャロットクラブの直近5世代の平均募集価格を点線で示しています。そこまで急ピッチというわけでもありませんが、明らかに右肩上がりのグラフです。5世代前、2019年3430万円に対し、2023年産は4310万円と、約25%上昇しています。もっとも、中央競馬の賞金予算もで、値上がり幅をある程度は賞金増でカバーできている計算とはなります。上がりです。ここ5年間で約13%上昇していますのまた、このグラフでは牡牝別の平均募集価格も示していますが、よく見ると傾向に違いがあります。青ラインの牡馬の平均募集価格はデコボコと上下しているのに対し、赤ラインの牝馬の平均募集価格はきれいな直線状の右肩牡馬の場合、2023年産の平均募集価格4808万円は、2019年産と比較して約11%の上昇に留まっており、これは先述の中央競馬賞金予算の伸びを下回る水準です。本年の募集馬リストを眺めても、牡馬に関してはそこまで大きく上がったという印象は受けないかもしれません。一方、牝馬の平均募集価格は、この5世代で約40%の大きな上昇です。グラフを見ても、牡馬と牝馬の価格差が年々縮まってきていることが見て取れます。実はこうした傾向はキャロットクラブのみならず、ノーザンファーム系クラブ全般に見られます。その理由を考えていくと、ノーザンファーム系クラブから近年、高額賞金を稼ぐ牝馬が次々に出現していることが挙げられます。ノーザンファーム系クラブの牝馬歴代獲得賞金トップ10を出してみると、比較的最近の馬で占められます。キャロットクラブ所属馬も2頭がランクインしていますが、近年の牝馬による高額賞金獲得の端緒となったのはそのうちの1頭、リスグラシューです。同馬を含めて2014年産以降の馬が、この表の10頭中8頭と大半を占めます。また、獲得賞金10億円を超える馬が6頭と、牝馬の稼ぎとしては、ひと昔前では考えられなかったような金額が並びます。なお、同様のデータを牡馬で出してみると、2014年産以降の馬は半数の5頭に留まります。さらに、このトップ10馬の獲得賞金を合計すると、なんと牝馬の方が牡馬を上回ります。これは牝馬の重賞路線が近年整備されたことに加え、馬場の高速化、そしてなにより育成・調教技術の進化などの要因により、大レースにおいて牝馬が牡馬と互角、あるいはを打ち負かすケース 1アーモンドアイ 2ジェンティルドンナ 3ブエナビスタ 4リスグラシュー 5クロノジェネシス 6グランアレグリア 7リバティアイランド 8ラッキーライラック 9ソングライン10ナミュールノーザンファーム系クラブ 牝馬歴代獲得賞金トップ10(2024年7月末現在/獲得賞金には手当等含む/一口馬主DB調べ)が増えてきたことが影響していると考えられます。もちろん、中央競馬全体で見ると牡牝の競走成績の差はいまなお歴然としてあります。しかし、ノーザンファームが送り出すトップクラスの馬に限れば、もはや牡牝で賞金獲得期待値の差はさほど大きくはないと言えるでしょう。こうした動向が、近年の牝馬価格上昇の背景にはあると考えらえます。さて、価格上昇の波が押し寄せる中で、最近のキャロットクラブ募集馬に関しては、この流れに逆行するかのような面白いデータもあります。キャロットクラブ所属馬のうち、各上昇傾向にある募集価格縮まる牡牝の価格差と、その要因世代トップは意外と安い馬?September 2024 vol.27220    産の平均募集価格         獲得賞金(円)19億8692万17億4294万15億5211万14億1923万12億8895万11億1376万 9億6161万 8億7047万 8億3947万 7億8066万馬名生年2015200920062014201620162020201520182019This month's TOPIC募集価格の変化と意外な大物の狙い目一口馬主DB編集部

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