ECLIPSE_202409_13-21
2/9

リュールも同タイトルを獲得しましたし、さらに母のクリソプレーズは、こちらも同タイトルを獲得したアロンダイトの全姉。加えて、母の父クロフネもジャパンカップダートを衝撃のパフォーマンスで制したJRAのダートチャンピオンですから、ダートの頂点を極めた馬尽くしというような血統構成になっています。さらに、名牝ソニンクの牝系出身であることも頼もしく、優れたスピードも受け継いでいるはずです。また、クリソベリル自身はキビキビとした回転の速い走りというよりは、伸びやかに大きく体を使った雄大なストライドが目立つタイプですし、基本的には小回りの短距離ダート戦を得意とするタイプではなさそうです。しかし、カイカヨソウの23は、母が川崎や浦和競馬場の短・中距離で結果を残しましたし、母父ティンバーカントリーも短・中距離の北米ダートG1勝ち馬ですから、父の得意条件に加え、小回りダート戦までも守備範囲になる可能性も高そうで、非常に楽しみな1頭です。ディープインパクトから受け継ぐ、無敗の三冠馬の称号。これを唯一、次世代へ繋ぐチャンスを持つ本馬。成功は間違いナシと思わせる高いポテンシャルの持ち主ですから、単純に成功して欲しいという期待ではなく、その先にある、どのような活躍を見せてくれるのか?ということへの期待感が強く、その活躍内容について日々想像を膨らませています。共通していても、当然、母方からの影ディープインパクトの能力や特性がそのままコピーされたわけではありませんし、馬格がほぼ同じとはいえ、馬体や動作には父との違いも少なからずあります。そのため、ディープインパクトの有力後継馬の筆頭であるのは間違いありませんが、単純に父が種牡馬として成功した配合パターンを、ソックリそのまま流用するというのがセオリーになるということでもなさそうなしかし、無敗の三冠馬ということは響も受けているわけですので、父気がします。主に、クラシックや秋古馬三冠といった芝路線の王道を勝つ馬の誕生を期待した配合がされているわけですが、産まれた初年度産駒を見比べていると、父ディープインパクト以上に様々なタイプの産駒が産まれている印象です。牡牝問わず、コントレイルと同様に2歳チャンピオンや三冠制覇を目指せそうなタイプが多いのはもちろんですが、スプリント力が高そうで、ダート巧者にもなりそうなパワフルなタイプもいますし、それら産駒の見た目からも父の産駒傾向とは少々違ってきそうな感触があります。このことは、父ディープインパクトから進化した点とも考えられ、例えば、全日本2歳優駿に勝ち、ケンタッキーダービーでも3着に健闘した産駒を誕生させたリアルスティールの活躍は、一つのヒントになりそうです。他のディープインパクト後継からも自身の母方に北米血脈を持つことが多いためか、ダート巧者の牡馬産駒が多数誕生していますから、母方にアンブライドルズソング、ティズナウ、ストームキャットの血を持つ本馬からも、配合によってはそのような産駒が誕生することも大いにあることでしょう。芝・ダートの国内三冠馬、名スプリンター、欧州のG1ウィナー、さらにはBCクラシックやドバイWCの勝ち馬…、どのジャンルからどんな大物が誕生するのか、今から楽しみでなりません。そして、本年募集されるビッグワールドの23。この馬こそ、まさに前述した、どのような活躍を見せてくれるのか?というワクワク感を高めてくれるようなタイプで、芝かダートか?短距離か中長距離か?その結果はいかに?数年後の答え合わせが楽しみです。執筆(8月初旬)時点で、すでに3頭も勝ち上がっているサートゥルナーリア。しかも、なんと勝ち馬の全てが牝馬。勝ちっぷりが良い馬もおり、ますます今後が楽しみになるスタートを切っています。優れた繁殖牝馬を所有する生産者の考えとして、牝馬が産まコントレイル─今年の募集で注目の社台SS種牡馬─サートゥルナーリアSeptember 2024 vol.27214サートゥルナーリアコントラチェックの23     Review of Stallions─CARROT CLUB YEARLINGS 2024─

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る