『JBC2022盛岡』。皆さんにもお楽しみいただけたでしょうか。『JBCスプリント』に出走したプライルードは惜しくも8着に終わったものの、同日に行われた地方競馬2歳馬による芝1600mの全国交流重賞『ジュニアグランプリ』ではラビュリントスが優勝。キャロットクラブ会員の方々にとっても、記憶に残る11月3日になったのではないかと想像しています。では最初に、そのラビュリントスが優勝したジュニアグランプリのお話から始めましょう。既にご存じの方も多いと思いますが、盛岡競馬場はダートコースだけでなく芝コースも併設されている〝地方競馬唯一、芝とダートのレースを実施できる競馬場〟となっています。JBCが〝ダート競馬の祭典〟なら、同日に実施された2歳のジュニアグランプリ、古馬の岩手県知事杯OROカップは〝地方所属馬の芝の祭典〟とも言える位置づけ。いずれのレースにもJBCの前のアンダーカードだ…などとはとても言えないような好メンバーが揃い、そして熱戦が繰り広げられました。グランプリ。JRA北海道シリーズで勝ち星を挙げていた馬が単勝1・2番人気を占め、ラビュリントスは3番人気を争う3頭の中での4番人気という立ち位置に。しかし終わってみれば、好位追走の道中から直線では先行馬を捉え、かつ後続の追撃を封じ込めるベストなタイミングの仕掛けで快勝。その内容は本命馬のそれに等しいと言っていい、見事な勝利でしたね。ラビュリントスは、前走の知床賞でも盛岡で重賞制覇を果たしていますが、その時はダート。芝は9月の札幌・すずらん賞以来でした。しかし同馬を管理する門別・田中淳司調教師は、知床賞制覇後に「芝は間違いなく合う馬だから、ジュニアグランプリを目指したい」と即断。その狙い通りの勝利となったわけですが、門別所属の調教師ながら盛岡の芝重賞を過去4勝、これが5勝目となった同調教師の経験が活きたレース選択であり、勝利だったように感じます。鞍上の岩橋勇二騎手も同様。盛岡芝重賞での優勝は実はこれが初めてだったものの、これまで何度も騎乗してきた経験が、最後の直線、芝の荒れた部分と比較的良い部分との境目のギリギリのところを、ロスなく突き進む好騎乗へつながったのでは。 「所属の田中調教師に良い馬を任せてもらっていたのに、なかなか期待に応えられずにいましたから、今日の勝利は本当に嬉しかったです」と、レース後にはゴールでの大きなガッツポーズの理由を語った岩橋騎手。その笑顔も印象的でした。JBCスプリントに出走したプライルードは8着でした。中団から先行勢の動きを見ながら勝機を待つ…のは狙い通りだったと思うのですが、残念な 8December 2022 vol.25114頭のフルゲートとなったジュニア11月3日に盛岡競馬場で行われたJBC2022 盛岡・門別─「12+8」初開催から20年目 3回目の盛岡JBCを振り返る─Text&Photo: 横川 典視
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