ECLIPSE_202204_13-15
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や歩様、堂々とした立ち姿を披露することができたと思います。配合希望の申込状況は、社台スタリオンのTOP5に入るように大変な人気ぶりですので、少しずつ種牡馬としての生活に慣れてもらいながら、順調に1年目を過ごし、多くの産駒に恵まれることができればと、心から楽しみにしています。さて、ここからは、クリソベリルの種牡馬としての魅力を、姿や血統面から考えてみたいと思います。ゴールドアリュールというよりも、母から受け継いだ特徴が強く表れているように感じさせる馬体。毛色の違いはありますが、顔立ちや全体のシルエットなどからは、母の全弟アロンダイトの姿を想像させますので、母父エルコンドルパサーの血も濃く表れているのでしょう。骨量に恵まれたパワフルな馬体の各部のほか、繋が長くクッションのきいた脚元を見ると、高い柔軟性があることも見てとれ、単純に筋力の強さを武器に、ただ力任せで走っていたわけではないことが理解できますし、この    柔軟性は父以上だと感じます。の特徴と合わせて見ていきます。父はダートリーディングサイアーを5回獲得したゴールドアリュール。父にとって、本馬がちょうど10頭目のG1勝ち馬となりましたが、その全てがダートG1勝ち馬であったように、ダートに特化した種牡馬でした。しかし、フーラブライドやタケミカヅチといった芝重賞勝ち馬もいますので、サンデーサイレンス系らしく、配合によっては芝への適性が高まる要素も、もちろんあったのでしょう。ダートチャンピオンの本馬の他にも、ダートG1勝ちのクリソライト、グランプリホースのマリアライト、菊花賞のプレップレースに勝ち、本番も3着に入ったリアファルもいるなど、カテゴリーを問わずに活躍馬を輩出。母の全弟アロンダイトを産んだ2代母のキャサリーンパーは、フランスの牝馬次に、血統表やブラックタイプをそ牝系は由緒正しき良血牝系で、母はマイル路線の中心にあるアスタルテ賞-G2で3着。さらに、3代母は愛オークス馬で、その産駒には、ローマ賞や、ハービンジャーも制したハードウィックSの勝ち馬がいて、4代母はフランス1000ギニー勝ち馬です。牝系の各代を支えた種牡馬を見ると、前述のエルコンドルパサー、リヴァーマン、リボー、プリンスタジの名前が並びます。このことから、クリソベリルの血統を簡単にまとめると、フランスを中心に欧州の芝路線で活躍し栄えてきた牝系とダート王・ゴールドアリュールの関係に、フランスのトップG1で活躍し、かつ国内ダートでも重賞勝ちしたエルコンドルパサーが上手く間に入り、牝系の特性とダート馬としての資質を調和させる架け橋になったというところでしょうか。その結果、目に映るパワフルな筋肉と骨格はダート馬特有のものを感じさせながら、クッション性能の良い脚元の柔軟性や、一般的なダート馬のイメージ以上に、肩や後躯の滑らかな動きも実現させることができたのではないでしょうか。ダートで頂点を極めた馬がスタッドインをし、将来の展望をコメントする際、その馬体の特徴などから、芝でも活躍する可能性が十分にあるという表現をする場合がありますが、この馬にApril 2022 vol.24314キャサリーンパー牝系のニューサイアー クリソベリル─スタッドインからファーストシーズンを迎えるまで─

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